close

2022-07-29

【しゅりんぷ池田のカード春秋】突然ブレークした思い出の首位打者たち

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line
首位打者を独走

 最下位から抜け出せていない日本ハムですが、光明と言えるのが松本剛が首位打者を独走していることです。

 今季84試合目を迎えて.350超のハイアベレージ。なにしろ、2位の今宮健太が一時は打率3割を切っていたのでリーグ唯一の3割打者でもありました。こんなところにも今季の投高打低ぶりが表れています。セ・リーグでは3割打者が首位打者1人のみというケースが過去2例あるのですが、パ・リーグでそれはまだ記録されていません。

TF13 松本 剛
BBM北海道日本ハムファイターズ ベースボールカード2022 TF13 松本 剛

 伏兵が突然の活躍で首位打者となったというので思い出すのが1976年の太平洋・吉岡悟と2004年の広島・嶋重宣のケースです。吉岡は前年まで8年間で通算32安打の控え選手だったのですが、76年に正二塁手の離脱もあって定位置を得て規定打席にもどうにか到達、打率.309で首位打者に輝きます。

 嶋はプロ入り時は評判の投手だったのですがプロ5年目から打者に転じ、プロ10年目の04年にようやくレギュラーとなり同年リーグ最多の189安打を放って打率.337で首位打者となります。なにしろ、その前2年は一軍で3試合にしか出ていなかったのですから、このブレークにはみな驚いて広島ならではの遅咲きと称賛されました。

 その後の2人はというと、吉岡は翌年こそ88安打したものの、再び控えに。嶋は活躍期間こそ短かったものの、3年連続で20本塁打するなど“赤ゴジラ”と称される主砲に成長しました。今季プロ11年目の松本もなかなかの遅咲きブレークとなりそうですが、今後はどんなキャリア曲線を描くのでしょうか。
(週刊ベースボール2022年8月8日号 掲載記事再編)

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事