AEWのスーパースター、志田光が古巣アイスリボンの7・31後楽園ホール大会で初シングルをおこなう19歳の星いぶきにあまりに厳しい言葉を投げかけた。
5・4横浜武道館で2人はタッグ対決(=藤本つかさ&星いぶきvs志田光&中島安里紗)し、志田は同大会を最後に“寿休業”に入った藤本つかさからピンフォール勝ちを収めた。その試合後、いぶきは志田の前に立ちふさがり、対戦を要求。「つっかさん(=藤本)の仇を討つ」と闘志を燃やしたが、これに志田は失望を覚えたという。
志田「アイスのなかでもいぶき選手は闘う前から注目してましたし、実際に闘ってみて気持ちが前面に出るいい選手だなと思ったんです。ただ、藤本つかさの仇を取りたいって、そんなくだらない小さいことを言ってるのはちょっとガッカリしました。違うじゃんって。ファンの皆さん、記者さん、みんなが聞きたいのって、そんな小さいことじゃないと思うんです」
いぶきに大きな期待を寄せる志田はわかっている、「団体を背負う、アイスリボンのトップに立って引っ張っていくっていう気持ちが」19歳の心のなかにあることを。「だけど、それを口に出せない。思ってるだけと、口に出して言うのって雲泥の差がありますから。それを言わずに、藤本つかさの仇討ち? そんなの藤本つかさが戻って来て、自分でとるよ。あの試合を見て、本気で藤本つかさの仇ってだけ思ってるならちょっと感じ方がぬるいなと思いましたね」
5・4横浜武道館で闘う前から志田はいぶきに興味を示していた。5・4横浜武道館では藤本のタッグパートナーに抜擢された19歳と実際に肌をあわせ、「いい選手」だと実感した。“志田光対戦者決定戦”という前代未聞の形式の試合を勝ち抜いてまで、自分の目の前に立ついぶきを評価してもいる。だが、だからこそ“藤本の仇討ち”発言にはガッカリした。
志田「その意識の差、覚悟の差がとてつもない差になるので、試合では。ハッキリ言って、(7・31後楽園で)いぶきが勝つ確立ってゼロなんですよ。でも、そのなかで何を感じて、どう覚悟を決められるか。正直、この試合でそういう覚悟が見えないなら、もう興味は尽きるかなと。まだまだいい選手はいっぱいいると思うし、ほかにも闘いたい選手はいるので」
昨年末の主力大量離脱、5・4横浜での藤本休業&春輝つくし引退を受け、アイスリボンは生まれ変わりを余儀なくされた。そのタイミングで志田はアイスリボンに「ただいま」と戻って来て、日本とアメリカを股にかけながら彼女なりに古巣を盛り上げようと考えている。
志田「いま誰がアイスリボンを引っ張っていくのか、センターに立つのか、まだ決まってないと思うんです。人がたくさんいなくなったなかで、どういう覚悟を持って臨むのか、どういう気持ちで向き合うのか。私はあの時(=創業者のさくらえみが退団した時)チャンスだと思ったんです。そういう選手がいまいるのか、いないのか。飾らない生の気持ちを見たいですよね。もしかしたらグチャグチャのドロドロになるのかもしれないけど、ナマを見せたその先にきっと未来があると思うから。私もそれを体感したいし、新しいアイスリボンで私はそういうのをドンドン見せていけたらいいなと思ってますね」
7・31後楽園のいぶき戦はファン投票の結果、1位を獲得。結果的に同大会のセミファイナルにラインナップされたが、ファンの期待は投票数という明確な数字で示された。
ファンの期待。
セミファイナルという試合順。
志田の厳しい言葉。
いぶきにとって間違いなく大きな意味を持つ志田との初シングル。どんな闘いを、そしてどんな結末を見せてくれるのか。アイスリボンの未来を左右するといっても過言ではない注目の一番、志田光vs星いぶき、7・31後楽園ホール大会でゴングが鳴る。