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2022-08-24

第三世代頂上対決…永田裕志が規格外の野人と2度目の60分フルタイム! 新日本プロレス歴史街道50年(54)

永田裕志が中西学を絞る

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第三世代同士では初となるIWGPヘビー級選手権試合がおこなわれたのは2003年3月9日、名古屋レインボーホール。そこまで8度の連続防衛を記録していた永田裕志に中西学が挑戦する一戦だった。

中西は「大本命、歴史を変える男」と紹介され、王者交代の期待が高まっていた中でおこなわれたライバル対決。結果は60分フルタイム。3月1日にWJプロレスが横浜アリーナで旗揚げし、NOAHでは同日に日本武道館で三沢光晴vs小橋建太が激闘を展開した裏で実現した第三世代頂上対決。今回は試合そのものを永田裕志に振り返ってもらった。

     ◇      ◇      ◇

リングに立った際の会場の雰囲気に関して、「中西待望論が会場に充満してましたね。それは中西の攻撃にファンが一喜一憂するあたりに感じました。ちょうど9度目の防衛戦で、それまでの記録だった橋本さんと並ぶ。でも並ばせたくないっていうファンの思いもあって。名古屋ということで橋本さんの地元(岐阜県土岐市)に近いというもあったでしょうし、純粋に中西に新チャンピオンなってほしいっていう思いと。だから、あそこで中西がベルトを獲ったら大爆発してたイメージがありますね」。

そして試合開始のゴングが鳴る。

「最初は勢いに任せてくるのはわかってたんで、好きなことやらせましたね。ある程度、身を任せながら、攻め切った頃合いを見越して攻めに転じるという作戦で。だけど足4の字を決めても、とんでもない力でひっくり返されちゃうから。もうスタミナも相当消耗してるはずなのに、そんな状況で“そう返してくるか!?”って。

そろそろ決まるだろうと思ってても返してくるんで闘っていて結構、驚かされましたね。こっちがバックドロップ2、3発やっても、中西もジャーマン2、3発返してきて。向こうが意識してナガタロックとかエクスプロイダーをやってきたのを覚えてますね」

パワーで押し切ろうとする中西。

「時間の経過ともに“中西コール”がどんどん大きくなっていって。これは後から聞いたんですけど、マスコミの人も『おいおい、60分フルタイムなんかやられたら(東京へ)帰れないよ』って」

決して決め手を欠いての60分ではなかった。最後まで勝負にいっての時間切れ。試合終了のゴングが鳴り響いた瞬間、大の字になった永田に対して、中西はコーナーに持たれながらも立っており、応援してくれたファンに両手を合わせて頭を下げていた。ベルトを巻き、握手を交わした際に永田の頭をよぎったものは……。

「やってるときは長いって感じなかったけど、終わってみると疲労感いっぱいで。肉体のダメージっていうよりは消耗度がすごい高かった。1回目(蝶野戦)の60分フルタイムよりも、2回目(中西戦)の方が特にね。でも、60分闘ってオレはヘロヘロだったけど、中西はピンピンしてましたから。そこで中西学の底力をより感じましたね」

60分フルタイムを経験して変わったことはあったか?

「中西にしろ蝶野さんにしろ勝たなきゃいけない相手だったけど、新日本の代表としてそういう試合を発信することの使命感とか喜びがあったし、なおかつそこで勝ち切るための攻め方とかを考えさせられました。相手を自分の掌に乗せるってことは覚えたような気はしましたけど、そのうえで勝ち切るための課題っていうのを思い知らされました」

試合後、リング上で再戦を誓った両者だが、残念ながら至宝を懸けての決着戦は実現することなかった。

橋爪哲也

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