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2022-09-06

【ボクシング】「世界戦へ近づける戦いに」──13日V3戦の平岡アンディが公開練習

切れ味鋭いシャドーボクシング

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 1週間後の13日、東京・後楽園ホールで3度目の防衛戦(vs.アルビン・ラグンバイ、27歳=フィリピン)を迎えるWBOアジアパシフィック・スーパーライト級チャンピオン平岡アンディ(26歳=大橋)が6日、所属ジムで練習を公開。“Da Blade”のニックネームどおりの切れ味鋭いブロー、動きを披露した。

文_本間 暁
写真_山口裕朗

トレーナーの父が、背後からテンションを上げさせる
トレーナーの父が、背後からテンションを上げさせる

 入念なシャドーボクシングから始まって、サンドバッグ打ち、ミット打ち。その中身は試合1週間前とは思えぬ白熱ぶり。集まった報道陣から「オーバーワークにならないか」と心配の声が上がるほど、集中力の高いトレーニングだったが、まだまだそれでは終わらない。華麗なロープスキッピングに、果てはダンベルを使ってのデッドリフトまで。しかし、それらを飄々とした表情でこなしていくのだから、これが彼のペースなのだろう。

均整の取れた、見事な肉体
均整の取れた、見事な肉体

 すっかりビルドアップした、彫刻のような肉体は、常に繊細なウェイト調整を強いられる。前々回(今年2月)の試合では、途中足が動かなくなり、最終的には鮮やかなカウンターでKO勝利したものの、リング上で昏倒。脱水症状が要因だったと分析し、前戦(今年6月)から調整法を変えた。今回も、「1ヵ月、ゆっくりと時間をかけて徐々にウェイトを落としている」といい、予定どおり順調に試合に向かっている。

 挑戦者のラグンバイは、今回が4度目の来日となる13勝(11KO)5敗1分のハードヒッター。ボクシングファンの間では、小原佳太(当時、WBOアジアパシフィック・ウェルター級王者、現日本同級王者、三迫)と左フックの相打ちを演じ、ダブルノックダウンの末に2回KO勝ち(2018年4月)したインパクトが強いだろう(4ヵ月後の再戦で、小原が3回TKOでリベンジ)。平岡と同じサウスポーが基本で、「左ストレートが強い。右構えにもなるスイッチヒッター」と、平岡も警戒している。
 だが、「今回は内容が大事」と、勝つことはもちろんのこと、それ以上を自らに課す。「世界戦に少しでも近づける内容にしたい」という想いが強いからだ。

父が素早く振るハンドミットに、見事に反応する
父が素早く振るハンドミットに、見事に反応する

 ここまで20戦全勝(15KO)と、パーフェクトレコードを積み上げている。戦い方のベースは、柔軟なボディワークと独特の距離でかわしつつ、相手を呼び込んでの左ストレート、アッパーカット、フックのカウンターを決めるもの。これまでは段違いのレベルをまざまざと見せつけてきているのだが、相手の攻める姿勢を引き出し過ぎているきらいもある。世界のトップレベルの選手は、やはり数段レベルが跳ね上がり、受け身の姿勢を取りすぎると、これまで味わったことのない攻撃を引き出してしまう恐れもある。プレスをかけようとする“心”を刈り取ることも必要になってくる。

思わず見とれてしまう鮮やかなロープスキッピング
思わず見とれてしまう鮮やかなロープスキッピング

「自分の持っているものを、いかにしっかり出すか」、これが父ジャスティス・コジョ・トレーナーの“指令”だと言い、それを受けて「自分から仕掛けていき、いろいろな見せ場を作る」ことを掲げている。しっかりと内容ある勝ち方をし、ケガなく終えることができれば、「チャンスをいただけるなら、年内にもう1試合したい」とも。

 大橋秀行会長は「来年には勝負させたい」と、さらなる大舞台を用意することを明言。そこへ繋げる試合という平岡のモチベーションは、日に日に高まっている。

いつもどおり、自信満々
いつもどおり、自信満々
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