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2022-06-08

【ボクシング】井上拓真がWBO・AP&日本王座統一/平岡アンディはTKOで2冠王座V2

井上拓真は再三再四、アッパーで古橋の顔面を跳ね上げた

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 7日、さいたまスーパーアリーナで行われたWBOアジアパシフィックー日本スーパーバンタム級王座統一戦12回戦は、WBO・AP王者・井上拓真(26歳=大橋)が、日本王者・古橋岳也(34歳=川崎新田)に119対109、120対108、120対108の大差判定で勝利。また、WBOアジアパシフィック&日本スーパーライト級王者・平岡アンディ(25歳=大橋)は日本8位・赤岩俊(29歳=マナベ)を6回1分24秒TKO。両王座の2度目の防衛に成功した。

文_本間 暁(井上vs.古橋)、西村華江(平岡vs.赤岩)
写真_菅原 淳

 前に前にと距離を縮めてくる古橋を、井上は引きながら絶妙なポジション取りで迎えると、左フックのカウンターで先制。3ラウンドからは至近距離にあえてとどまるパターンも出し始め、左右のショートアッパーカットで、何度も何度も古橋の顔面を跳ね上げた。

 被弾しても、とにかく前へ前へ。打たれ強さもさることながら、粘り強く相手を追い詰めていくのが信条の古橋は、体の強さを生かして井上をロープに押し込み連打。序盤から中盤までは、井上が“おびき寄せて”カウンターを狙い、古橋をいなして回り込む──を繰り返していたが、終盤にかけて連打の回転力がぐんぐんと上がる古橋を、被弾こそ回避したものの井上は、やや持て余した。

 それでも、リング中央での戦いは、井上の技術が圧倒的に上回った。古橋が打ちづらい、打つ気を削いでしまう位置を常に保ち、また、打とうとする瞬間にスッとサイドへ回る。呼吸を読んで、はぐらかす術は、やはり特A級だ。
「やっぱり自分の適正階級はバンタム級」と言うとおり、古橋の大きさに押され気味のシーンもあったが、潰されることはなく、ポイントもほぼ奪われることもなく、試合終了を迎えた。
「古橋さんは思ったとおり、根性が凄かった。自分のボクシングをさせてもらえなかった」と反省しきりの井上。「打とうとすると、拓真選手に距離を潰された。地力の差を感じた」と古橋は、完敗を認めた。
 WBO・AP王座の初防衛に加え、初めての日本チャンピオンベルトも巻いた井上の戦績は17戦16勝(3KO)1敗。古橋の戦績は39戦28勝(16KO)9敗2分。

初回にダウンを奪った平岡は、そのまま主導権を奪って試合を進めた
初回にダウンを奪った平岡は、そのまま主導権を奪って試合を進めた

 右ジャブを起点に、左右上下と多角的にパンチを繰り出すサウスポーの王者・平岡が、初回中盤に左アッパーでダウンを奪う。が、ダメージが浅かった赤岩は、立ち上がると右ストレートをヒットして食い下がった。

 懸命に前進する赤岩だったが、平岡はノーガードでパンチをかわしては、左ストレートの強打や左ボディ、アッパーを次々とヒットしていった。攻めあぐねた赤岩は、「秘策だった」という左構えにスイッチしての抵抗を見せたものの、地力の差は大きかった。

 6ラウンド、平岡が右アッパーで赤岩をグラつかせると、そのまま一気にコンビネーションで攻め、左フックを決めたところで、レフェリーが割って入った。

「こんな大舞台は初めてだったので、世界にアピールするためにも長いラウンドをやりたいと思って、6ラウンドで決めた」と語った平岡。この先、強豪と戦っていくことで、もっと強く強くなると宣言した。
 平岡の戦績は20戦20勝(15KO)。赤岩は12戦7勝(5KO)4敗1分。

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