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2022-09-10

【アメフト】国内最高峰・X1スーパー開幕 12チームの指揮官が「我らかく戦う」

X1スーパー12チームの指揮官・GMが決意表明した=Xリーグ提供

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国内最高峰のアメリカンフットボール、Xリーグの「X1 スーパー」の2022年シーズンが9月10日、開幕する。先日行われた、開幕前記者会見から各チームの指揮官・GMの今季への決意を紹介する。

しっかり研究、良い準備を
富士通フロンティアーズ・山本洋ヘッドコーチ(HC)
=2021年シーズン日本選手権・ライスボウル優勝、X1スーパー2位
「昨シーズンはチームとして生まれ変わることが大きなテーマだった。そして素晴らしい結果を得ることができた。今シーズンは引退・移籍選手が15人。新たに10人の選手を迎え入れている。リーグ編成が新しくなったので、久しぶりに、また新しく対戦するチームがある。しっかりと準備をすることを優先してやっていきたい。また、今シーズンは、(他チームの)新しい外国人選手が多く登録されている。しっかり研究しながら良い準備を進めていきたい」

人として成長する、その先に日本一がある
パナソニックインパルス・荒木延祥監督
=2021年シーズン日本選手権・ライスボウル準優勝、X1スーパー1位
「今季は『growth=成長』というスローガンをチームとして掲げている。人として成長する、その先に日本一がある。そういう信念で日々、全力を尽くしている。近年、本当に悔しい(シーズンの)終わり方をしているので、今シーズンは何とか結果を残したい。そういう思いで、全員一丸となって戦っている。チームが勝つことも重要だが、リーが発展するためには、今の子供たちが憧れるリーグでないといけない。少なくとも今の大学生の選手の皆さんがXリーグを目指す、そういうリーグでなければいけない。皆さんから憧れをもってもらえるような選手や人物でありたい」

チーム内の切磋琢磨が良い結果を生む
オービックシーガルズ・大橋誠HC
=2021年シーズンライスボウルトーナメントベスト4、X1スーパー3位
「春、夏を通じてチーム内競争を大きなテーマとしてやってきた。その切磋琢磨が今シーズンに必ずいい結果をもたらしてくれると思っている。この3年間、毎年15名強の新人が加入している。Xリーグ登録選手65人のうち45名が3年目以下の選手というチーム構成になっている。皆さんが注目する選手は、ベテランや名の通った選手だが、実はチームの屋台骨を支えなければならないのは、3年目以下の選手たちなので、今季は彼らがどれだけ活躍するかが注目して欲しい。また、我々は近年、ずっと習志野市の秋津球技場(第一カッターフィールド)でホームゲームを開催してきたが、今シーズンは我々の他にも、9チームが秋津で試合をする。(習志野市のチームである)我々としても光栄に思っている。こういった取り組みなど、リーグが発信力をもっと持つことに寄与したい」

「NFL級」の新RBのプレスリーに注目を
IBMビッグブルー・山田晋三監督
=2021年シーズンライスボウルトーナメントベスト4、X1スーパー4位
「5年ぶりにチームの現場に戻って、監督兼ディフェンスコーディネーターとなった。あくまでケビン・クラフトHCを支える立場だ。チームに戻ってきていろいろな視点で見ていると、4年の間に戦力も入れ替わって、素晴らしい選手がたくさんいると実感している。今年も新人が多数加入してくれた。毎年のことではあるが、ケビン・クラフトHCが言う、『complete』常に自分たちのベストを尽くす、ということを大切に取り組んでいる。注目選手はたくさんいるが、なんといってもRBジュレル・プレスリー。私がこれまで見てきた中でも、かなりすごい、NFLに近い選手。ワクワクするプレーを見せてくれるのではないか」

移籍の宜本が「日本一」マインドを注入
ノジマ相模原ライズ・城ケ滝一朗HC
=2021年シーズンX1スーパー5位
「今シーズンは、各ポジションに新人が入ってきてかなりいい感じで秋に臨めることを実感している。また、富士通から移籍の宜本潤平が日本一のマインドをチームにたたきこんでいる。初戦からパナソニックということもあって、良いモチベーションでシーズンを迎えられている。日本一を目指して頑張っていきたい」

目標はライスボウルトーナメント進出
東京ガスクリエイターズ板井征人HC
=2021年シーズンX1スーパー6位
「クリエイターズの今シーズンの目標は、ライスボウルトーナメント進出。チームの戦い方のイメージとしては、シーズンの後半に向けて、力を徐々につけて、じっくり戦っていければと思っている。他チームの皆さんも、非常に厳しい状況の中、チーム作りをされていて、我々は一戦一戦非常に厳しい戦いになる。何とか良い試合ができるように、しっかり頑張っていきたい」

外国人4人入れ替わり、若い集団で盛り上げる
エレコム神戸ファイニーズ・時本昌樹HC
=2021年シーズンX1スーパー7位
「春にちょっと多くの引退者を出して、少ない人数からのスタートだったが、春を通じて多くの新人や外国人選手に参加してもらうことでそれなりの戦力が整った。楽しみにしている。外国人選手は(すべて入れ替わって)新たに4人でキーになるポジション。秋に大きなことを起こしたいと準備している。試合に見に来てもらっている方々にワクワク感動してもらえるような試合をしたい。私を含め、若い集団なので、元気はつらつと試合に挑んで、盛り上げていきたい」

痛手を負った2年、全員で知恵を出し合って活動
オール三菱ライオンズ・林顕HC
=2021年シーズンX1スーパー8位
「我々は、新型コロナの影響で、2年前は自主的にリーグ戦を辞退。昨シーズンも、リーグ戦前半のゲームは出られなかった。その間に、中核選手がかなり引退をしたり、チームとしてはかなり痛手を負った2年だった。ただ、新人も入ってくれて少ない人数ではあるが、全員で知恵を出し合って活動している。ずっと外国人選手無しで戦ってきたが、昨年1人、今年もさらに1人加入してくれた。いろいろなことに刺激を受けながら準備をしている。開幕に向けて精一杯、残りの時間を準備に充てて最高の状態で初戦を迎えたい」

開幕戦から100%アクセルを踏み込んでいく
アサヒビールシルバースター・有馬隼人HC
=2021年シーズンX1エリア1位
「われわれは、ようやくXリーグの最上位カテゴリーに帰ってこれた。帰ってこれたというか、X1スーパーでプレーするのは初めて。2019年にリーグ再編成で、X1エリアとなって以来、だいぶ時間がかかってしまったが、昨年は全試合に勝って、スーパーに参加できることになった。50年の歴史があるチームだが、今年は『挑戦』、完全に新たなチームとして見ていただきたい。開幕戦から100%アクセルを踏み込んで、どこまで行けるかというシーズンにしていきたい。
 エレコム神戸の時本HCが若い集団とおっしゃったが、我々のチームにも20代前半の選手、コーチが揃っている。そういう若い人たちが各チームで活躍するようになってきたのは、ものすごく楽しい。リーグ全体の活性化につながるし、戦術面でも発展が早くなる。若い人たちが切磋琢磨しながらリーグ全体のレベルを上げて行けるといいなと思っている」

覚悟を持って、泥臭く諦めずにプレー
アサヒ飲料クラブチャレンジャーズ・正重高志HC
=2021年シーズンX1エリア2位
「昨年まで3シーズン、X1エリアでプレーしていた。今回4年ぶり(トップ)の舞台で戦うことになる。今年は既存選手41人、新人選手20人のトータル61人で、X1スーパーに挑む。我々がX1エリアで戦っていた3年の間にも、X1スーパーの競技レベルが、ますますアップしていたということを実感している。今季のリーグ戦5試合、地に足をつけて、格上のチームと戦っていく。チーム名の通り、1プレー、1プレー『チャレンジする』覚悟を持って、泥臭く、しつこく、諦めずにプレーをする」

『胸を借りる』ということでは勝てない
otonari福岡SUNS・吉野至HC
=2021年シーズンX1エリア3位
「我々は地方のチームとして2017年に九州で初のXリーグ参入した。途中でリーグ再編があり、なかなかトップリーグに上がれなかった。X1エリアでの3年間は、結果的にチームにとてもプラスになった。勢いだけで来ていたチームの基盤作りに、しっかり力点を使うことができた。今年は新たなメーンスポンサーも迎えて、いよいよ九州福岡から日本一を目指すという挑戦がスタートした。スポンサー企業も増えて、地元を中心に160社に応援していただいている。
 関西・関東と地方のアメフトの格差を感じていたが、今季のチーム65人中30人が九州出身。地方出身選手をX1スーパーの舞台にあげられたことがうれしく光栄に思う。これまでとは次元が違うリーグ。初戦のオービック、2戦目の富士通と「国内最強」の2チームといきなり対戦するが、チームとしてこの状況をとてもポジティブにとらえている。我々は初戦にチームをピークに持っていくということで、昨年のシーズン後から準備をしてきた。『胸を借りる』ということでは勝てない。我々ならではの怖さを見せて勝ちにいく試合をしたい」

12位からのスタート、100名一丸で戦う
胎内ディアーズ・志田竜也HC
=2021年シーズンX1エリア4位
「今シーズンからチーム名が変わった。新潟県胎内市を新たに活動拠点に加え、将来的には移転していくことを目指して新たなチームとなった。昨年はメーンスポンサーがないチームだったが、新潟のNSGホールディングに支援していただくことになった。強いチームを作っていくこと、そして胎内市を中心に地域貢献、地域創生といったところに少しでも寄与しながらアメフトを活動する地域を広げていきたい。
 我々は過去3年間、エリアからなかなか昇格できない、さらにチームスポンサーを探さなければならないという状態で戦ってきた。今季の開幕は楽しみでしかない。(前シーズンの実績は)X1スーパー所属12チーム中、12位。最下位からのスタートとなる。挑戦者として積極的なフットボールで上位と戦う。選手・スタッフも含め100名のチームが開幕を迎えるために一丸となっている」

  ◇

2022年度のX1スーパー リーグ編成

2022年度のリーグ編成は以下の通り。

■X1スーパーは2ディビジョン制12チーム編成とし、ディビジョンAとディビジョンBに分かれてリーグ戦を行う。リーグ戦はディビジョン内総当たり戦で各チーム5試合を戦う。

■ポストシーズンは日本選手権ライスボウルを頂点とする「ライスボウルトーナメント」に再編。リーグ戦終了時の両ディビジョンの上位4チームずつ、計8チームがライスボウルトーナメントに出場する。

■昨年度から「アメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯ライスボウル」が社会人の日本一を決める王座決定戦となった。ライスボウルトーナメントを制するチームが日本一となる。

■X1エリアは8チームによる総当たりのリーグ戦。リーグ戦終了時のX1エリア上位2チームがX1スーパー下位2チームとの入替戦に進出する。

【小座野容斉】

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