井上尚弥に続け!──。先ごろプロデビューを表明した20歳のコンビ、松本圭佑と中垣龍汰朗が4日、所属する大橋ジムでB級(6回戦)プロテストを受験し合格。ともに5月28日(木)、東京・後楽園ホールでデビュー戦が予定されている。
上写真=合格掲示を見てにっこりの松本(右)と中垣
高校時代(松本はみなと総合、中垣は日章学園)はライバル関係にあったふたりは、同じ東京農業大学に進学し、昨年末に2年で中退。示し合わせたわけではないが、同じタイミングでふたたび同門となり、プロの頂点を目指す。
当初は今月11日に後楽園ホールでプロテストを受験するはずだったが、3月中のプロボクシング興行がコロナウイルス流行を懸念して中止、延期となり、東日本地区では極めて異例の所属ジムでのテストとなった。
ルール等に関するペーパー試験の後、3分3ラウンドのスパーリングで手合わせ。最初の2ラウンドは「どの程度行ったらいいかわからなかった」と口をそろえるとおり、マスボクシングに限りなく近い内容だったが、最終3ラウンドは高校時代の再現のようにシャープで力強いブローをともに放っていった。
「味わったことのない雰囲気だったのと、どのくらいの力でやればいいか戸惑った」という両者は、肩に力が入りすぎ、相当な神経とスタミナを使ったそう。「疲労が半端じゃない」と言って、顔を見合わせて苦笑い。「試合をする前に、こういう経験ができて勉強になった」と、“脱力”の大切さを学んだようだ。
バランスがよく、ストレートパンチが美しい両者。プロでは松本がスーパーバンタム級、中垣がスーパーフライ級でスタートする予定で、階級は異なるが、「お互いに切磋琢磨して上を目指してほしい。自分も現役時代、中島俊一さん(元日本スーパーフライ級チャンピオン、現・Boy's水戸ジム会長)とそういう関係で、実力を蓄えた」と大橋秀行会長は、ジム内での“戦い”を期待する。
久々の手合わせは、「駆け引きをいろいろとできる相手なので楽しかった」。クラスが2階級違うため、今後スパーリングをするかどうかはわからないが、一緒の空間にいるだけでも、刺激を与え合い、お互いを高めていくはずである。
文&写真_本間 暁
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