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2022-09-14

【ボクシング】平岡アンディが左カウンターからの連打で速攻V3

左のタイミングがドンピシャリ

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13日、東京・後楽園ホールで開催されたWBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ12回戦は、王者の平岡アンディ(26歳=大橋)が実力差を見せつけ、同級1位のアルビン・ラガンベイ(27歳=フィリピン)を2回2分27秒TKOで下し、3度目の防衛に成功した。

文_杉園昌之
写真_山口裕朗


 会場がどよめく、圧巻のTKO劇だった

 サウスポーの平岡は初回から鋭い右ジャブをガードのすき間からコツコツと当て、いきなり試合のペースを掌握。ラウンド終盤には距離を保ちながらタイミングを見計らってワンツーも繰り出す。クリーンヒットこそしなかったものの、左ストレートは顔面をかすめていた。

右ジャブを当てて、ラガンベイの左を誘った
右ジャブを当てて、ラガンベイの左を誘った

 1ラウンドを終えた時点で相手のパンチを見切っていたという。インターバルでは父ジャスティス・コジョ・トレーナーから「2回は倒しに行け」と指令を受け、積極的に攻めた。目を瞠ったのは、相打ちのタイミングでヒットさせた左ストレート。相手が踏み込んできた左をブロックし、自らのパンチだけをしっかり当てていたのだ。

「効いているのが分かりました」

左カウンターでヒザを揺らしたラガンベイに、さらに左カウンター
左カウンターでヒザを揺らしたラガンベイに、さらに左カウンター

 ただ、一気に攻め落とすことはなく、じりじりとロープに追い詰めてから猛烈な連打。相手の意識が飛んだところで、すかさずレフェリーが試合をストップした。最後は狙いどおりの強烈な左フックで仕留めてみせた。

棒立ちとなったラガンベイを、レフェリーが救った
棒立ちとなったラガンベイを、レフェリーが救った

「手応えはありました。練習してきた形を出せました」

 息子にはいつも手厳しい評価を下すジャスティス・トレーナーも、試合後は満面の笑み。
「文句のない内容です。試合前から左の相打ちだけを警戒していました。相手のパンチはちゃんと見えていた。練習でやってきたことが試合にも出ていた。倒すところで倒せたのは良かった」

 褒められ慣れてないアンディは思わず照れ笑いを浮かべて、満足そうな表情を見せた。
「父親にこんな風に言われたのは初めてです」

「今日はパンチを1発も貰わなかった」とアンディ
「今日はパンチを1発も貰わなかった」とアンディ

 激戦区であるスーパーライト級の世界戦線に挑む資格があることを証明するような防衛戦だった。次戦は年内に国内でWBOアジアパシフィック王座の防衛戦をこなし、来年は海外挑戦を視野に入れているという。

「またラスベガスでやりたいです」

 殻を破った26歳は、このまま大きな夢に突き進んでいく。

 平岡の戦績は21戦21勝(16KO)。ラガンベイの戦績は20戦13勝(11KO)6敗1分。現日本ウェルター級王者・小原佳太(三迫)にKO勝ちした戦歴を持つ強打の持ち主だったものの、平岡の前では無力だった。
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