4月4日、東京・後楽園ホールでWBO世界フライ級王座決定戦に臨む同級3位の中谷潤人(22歳=M.T)が22日、同ジムで12ラウンドのスパーリングを敢行。日本ユース・バンタム級王者の石井渡士也(19歳=REBOOT.IBA)を相手に、高い攻防技術を見せた。
写真上=スパーリング後、シャドーボクシングで動きを確認する中谷
世界戦に向け、中谷が12ラウンドぶっ通しのスパーリングを行うのはこの日が初めて。20日に終えた熱海キャンプの疲労がまだ残る中、石井と8ラウンド、岡田隆志トレーナーと4ラウンドの長丁場を無難にこなした。

中谷(右)が長いリーチから右ジャブを伸ばす
2階級上のバンタム級の石井に体格でも見劣りしない中谷は、右のリードブローを巧みに操り石井の接近を阻止。なおも石井が入ってくれば左をカウンターと、同級1位ジーメル・マグラモ(フィリピン)戦で理想とするパターンを実践した。

上体の動きも駆使した中谷(右)の絶妙な距離感に石井は前進を阻まれた
売り出し中のハードパンチャー石井も「距離の取り方が本当にうまい。万能だし、何ラウンドやっても崩れない。体より、脳が疲れました」と、ハイレベルの攻防に多くを学んだ様子。「仮装マグラモ」に徹した岡田トレーナーの攻撃にも、中谷は戸惑うことなく反応した。
「石井君はタイミングがいいので離れたり、くっついたりと、試しながらやった。遠い距離なら前の手(右)を当てられるが、近いと打たせてしまうのは反省。いい練習になりました」と振り返った中谷。マグラモ戦の鍵を握るのも「前の手」になるとし「最初にどれだけ自分のペースをつかめるか」が、その後の流れに大きく影響すると肝に銘じている。

8ラウンド手合わせした中谷(左)と石井。内容の濃いスパーリングに、お互い感謝した
来週も石井とスパーを重ねた後、3月1日には再び渡米。17日の帰国まで、ロサンゼルスでスパー合宿してくる。早めの帰国は減量に備えてのことだが、こちらもすでに一定の体重をキープ。「長所を生かせれば、問題なく勝てる」。中谷と陣営の世界奪取プランは抜かりなく進んでいる。
取材◉藤木邦昭
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