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2022-09-17

【相撲編集部が選ぶ秋場所7日目の一番】優勝争いでも候補の一角に浮上!? 霧馬山が御嶽海を破り5勝目

右上手を引きつけ、御嶽海を棒立ちにさせて寄り切った霧馬山。三役戦残り1番を残して5勝2敗。優勝争いでも浮上してきた

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霧馬山(寄り切り)御嶽海

小結の霧馬山が大関御嶽海を破り、5勝目を挙げた。
 
この日も今場所威力を発揮している頭を下げた立ち合い。この日は右手は相手の肩のあたりに当てて、まず出足を止める作戦に出た。相手が左を差し込んできたが、すぐ右の上手を浅くつかみ、左下手も取る。そのあとは少し寄られたが、御嶽海は廻しが取れておらず、霧馬山は両廻しが取れているのでやや無理攻めだ。その間に霧馬山は浅く頭をつけて十分な体勢を作ると、廻しを引き付けて相手を棒立ちにさせ、危なげなく寄り切った。

「すぐに廻しを取って、よかったと思います。廻し取って、ちょっと落ち着いて。気をつけて(前に出ました)」と、霧馬山は会心の取り口を振り返った。
 
今場所の霧馬山は、低く鋭い立ち合いから、頭をつけ、右の廻しをつかんで攻めるという得意の形がしっかりと作れている。正代戦、逸ノ城戦、そしてこの日の御嶽海戦はその形からの勝利。初日もこれで照ノ富士に食い下がって善戦した。
 
そして今場所さらにいいのは、ただやみくもにその取り口を繰り返すのではなく、相手によっては取り口を変えているところだ。左の廻しを与えたくない若隆景や逸ノ城には、右の廻しに固執せず、右を差したり、左で廻しを取っての攻めを見せている。また、動きの激しい突き押しの大栄翔には、立ち合い頭を下げずに見ながら当たるなど、工夫がうかがえる。
 
この日を終わり、貴景勝と並んで三役の中では最もいい星勘定の5勝2敗。優勝争いの上でも候補の一人として浮上してきた。三役との対戦は残り貴景勝戦だけなので、その一戦も大事になってくるが、貴景勝はまだ上位戦が多く残っているため、今後はこの霧馬山が平幕で勝ち込んできている力士とどんどん当てられることになりそうで、そういう意味でも優勝争いの行方を握る存在だといえる。
 
一方、敗れた御嶽海は、黒星先行の4敗目。2日目のこのコラムで「カド番脱出は時間の問題」と書いたのはいかにも早計に過ぎたといわざるを得ないが、初日、2日目のような立ち合いは完全に影をひそめてしまった。この日で6連敗となった正代もそうだが、比較的飛んだり跳ねたりを警戒しなくていい相手にも立ち合いであまり踏み込めていないのは気になるところだ。
 
その他の取組では、豊昇龍が苦手の翠富士にうまく取られて痛い3敗目。照ノ富士は立ち合いから思い切って出られる相手の逸ノ城を一気に寄り切って連敗を脱出したが、動き回られたときの対応がどうかは今後を見ないと何とも言えないか。
 
平幕勢は、玉鷲は立ち合いはよかったが若隆景に突き落とされて土がつき、全勝は北勝富士1人に。混迷の優勝争いはまだまだ続きそうだ。

文=藤本泰祐

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