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2022-09-16

【相撲編集部が選ぶ秋場所6日目の一番】横綱・大関陣総崩れ。玉鷲が貴景勝も突破し、全勝を続行

貴景勝を叩き込みで破り、6連勝とした玉鷲。全勝は北勝富士と2人だけになったが、どこまで優勝争いを引っ張っていけるか

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玉鷲(叩き込み)貴景勝

荒れ気味だった場所が、本格的に大荒れになってきた。
 
6日目、関脇登場以降の7番で、番付上位の力士が勝ったのは関脇若隆景一人だけ。1横綱3大関が総崩れ、さらには関脇で1敗だった豊昇龍も2敗目を喫し、三役陣では1敗力士もいなくなってしまった。
 
横綱・大関陣では、まず最初に登場した正代は照強に動き負けして早々と5敗目。続いて1敗の貴景勝と全勝の玉鷲の優勝争いを左右する一番は、貴景勝が低く当たったものの威力を欠き、直後に叩き込まれて2敗目、玉鷲の全勝続行を許した。大関3人目の御嶽海は立ち合い攻め勝って押し込んだが、琴ノ若の引き足についていけず五分の星に後退。そして結びの横綱照ノ富士は、宇良に潜られてズルズル後退し3敗目。ヒザの状態も良くなさそうで、優勝争いどころか、場所を全うすることができるかどうか……、という状態にあるようにすら見える。

「きょうの一番」も、取り上げるのが一番では済まないような荒れっぷりだが、優勝争いへの影響から行くと、やはり玉鷲の勝利が大きな意味を持つだろう。きのうは「これから役力士との対戦が続くことになるため、まさかの2度目!? への道は簡単ではない」と書いたが、貴景勝を破り、また上位陣がバタバタ敗れたことで視界が開け、有力候補の一人に浮上してきた。
 
玉鷲にとってのポジティブなファクターとして、何と言っても大きいのは、精神面の安定が見込めることだろう。本人は「やることをちゃんとやって、しっかり休んでいるのが好調の要因。これからが大事なので、一番一番しっかり、自分の相撲を取っていきたい」と語っているが、すでに幕内最年長でもあり、気持ちの上でどこか達観しているようなところもある。目の前の勝敗や駆け引きに気持ちが行ったり来たりしてぐらつくことは少ないはずだ。優勝経験もあるので、必要以上に硬くなることもないだろう。

6日目までの横綱・大関戦は3連勝、関脇大栄翔、豊昇龍にも勝っており、残る三役との対戦は御嶽海、若隆景、逸ノ城、霧馬山の4番。対戦成績としてはすべてリードを許している相手なので楽ではないが、思い切ってぶつかっていけるという部分はある。まずはこれから続いてくるであろうこれらの相手にどういう星を残せるか。もしも五分以上で通過し、残りは平幕の好調力士との対戦のみ、という状況が作れたときには、展望が開けてくるだろう。
 
ネガティブなファクターとしては、上記の三役陣との対戦成績と、きのうも書いたとおり、そうは言っても37歳なので、何と言ってもスタミナ面ということになるが、さてどこまで優勝争いを引っ張っていけるか。手芸が得意で「女子力高めの鉄人」というナイスなキャラクターは、思わず応援したくなる存在。その挑戦から目が離せなくなってきた。

文=藤本泰祐

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