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2022-09-18

【相撲編集部が選ぶ秋場所8日目の一番】離れた相撲に一日の長。貴景勝が髙安の挑戦退け2敗守る

終始攻められた貴景勝だが、やはり離れた相撲での感覚は一枚上。髙安を引き落として2敗を守った

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貴景勝(引き落とし)髙安

2敗の大関と、ここまで1敗で来ている元大関の対戦。
 
立ち合いは、貴景勝は頭から。髙安はカチ上げ気味にこれをはじくといういつもの形。当たり合った後、先手を取ったのは髙安だった。今場所の好調さそのままに、左右の突きで東土俵に押し込んでいく。貴景勝はこれをイナシながら俵伝いに左に回り、体勢を入れ替える。髙安はなお相手の上体を起こそうと突き立てるが、動きの中、土俵中央で一瞬、腕と上体が伸び、足がそろったところを逃さず、貴景勝が引き落とした。

「残して回り込んだところは体が勝手に動いた感じでしょうか」と問われ、「そうですね」と貴景勝。相撲内容としてはずっと髙安に攻められ、防戦一方だったが、相手の一瞬の隙をとらえて勝利をつかんだのは、さすがに離れて取る相撲に関しては経験値の高さ、一日の長を見せた、というところか。上体を完全には起こさせず、押されながらも相手に距離を詰めさせなかったことが勝ちにつながった。
 
髙安はこの一番に勝てば、優勝争いの主役へと躍り出るところだったが一歩後退。いまや「一度は優勝させてあげたい力士」のナンバーワン的存在だが、チャンス到来かと思われた今場所も、あす横綱を倒すぐらいのことをしなければちょっと難しい感じになってしまったか。
 
貴景勝は、三役ではただ一人2敗を守り(霧馬山は翠富士の必殺技の肩透かしを食い3敗に後退)、番付の権威を守った格好。内容的にはまだ安定した勝ちっぷりとまでは言えない気もするが、大関自身がいつも言っているように、目の前の一番一番に集中して星を重ねていけば、それが大荒れの場所を締める責任を果たすことにもつながる。
 
そのほかの取組では、北勝富士が遠藤を寄り切り、ただ一人の全勝を守ってストレートでの勝ち越し。玉鷲は電車道で佐田の海を押し出し1敗をキープした。上位陣はこれら平幕勢が負けて優勝ラインが下がってこなければどうしようもないので、しばらくは優勝争いはこの2人の動向次第となろう。最近は幕内下位で走っている力士を上位陣と当てるのが遅すぎるきらいもあるが、どのあたりで北勝富士と上位陣との対戦が組まれるかも見ものだ。

文=藤本泰祐

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