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2022-09-20

【相撲編集部が選ぶ秋場所10日目の一番】元大関の底力。髙安が北勝富士の全勝にストップ掛ける

力強い押し倒しで北勝富士に土をつけた髙安。優勝争いは、さらに混とんとしてきた

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髙安(押し倒し)北勝富士

さすがは元大関、といったところか。初日から全勝街道を走ってきた北勝富士にストップを掛けたのは、髙安だった。
 
今場所好調な力士同士の好取組。もちろん両者とも真っ向からぶつかり合った。髙安はこの日は左からカチ上げ気味に相手の頭を起こす作戦、北勝富士はいつものように左手を出しながら頭で当たり、右はハズでカチ上げに来た髙安の左腕を押し上げた。
 
やや当たり勝ったのは北勝富士。そのまま右のハズ押しをきかせて向正面に押し込むが、髙安もここで底力を見せ、それ以上押させずに踏ん張った。相手の押しをこらえて、左からの突き落としも残すと、逆に右ハズで押し返す。この圧力に、北勝富士は右足が流れてヒザから崩れた。

「落ち着いて、辛抱強く取ろうと思いました。しっかり踏ん張れていると思います」と髙安。普通なら押し込まれたところで思わず引いてしまいそうなものだが、ぐっとこらえて押し返したところに、今場所の好調さと、元大関の底力を見た。これまでは優勝争いをしてもここ一番の相撲で勝てないことが多かったが、「なるようになりますから。精いっぱいやりたい」というコメントを聞く限り、精神状態もちょうど力の出しやすいところにあることが感じられる。
 
一方、北勝富士は、「重かったですね。せっかくいい形が作れたんですけど、相手の重さに体が反応してしまった」と悔しそう。ただ、連勝は止まったとはいえ、1敗で玉鷲と並走して依然トップ。立ち合いも押し込めており、内容が悪くなったわけではない。あす11日目の玉鷲との直接対決に勝てば再び単独トップが奪回できる立場なので、まだまだこれからだといえるだろう。「あしたは思い切りできる相手なので、勝っても負けても自分らしくやりたい」と、思い切ってぶつかる覚悟だ。
 
この日、北勝富士に土がつき、先頭ランナーが1敗となったことで、2敗の髙安、錦富士のほか、3敗の力士(若隆景、翔猿、王鵬と、この日敗れた千代翔馬)にもわずかながら優勝の望みが出てきた。上を走っている力士が4人いるのでそう簡単ではないが、中ではやはり、この日で7連勝と調子を上げてきた若隆景が「三役代表」として優勝争いに絡んでいけるかが見どころだ。
 
この日から横綱照ノ富士が休場、大関陣はこの日も3人が枕を並べて黒星という惨状だが、関脇と平幕の力で、最後まで場所を盛り上げてもらいたいところだ。

文=藤本泰祐

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