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2022-09-19

【相撲編集部が選ぶ秋場所9日目の一番】今場所も平幕の優勝が濃厚!? 髙安が金星を挙げ、また横綱・大関総崩れ

照ノ富士を押し出す金星で、優勝争いに踏みとどまった髙安。つかまらないよう離れて取ったことが功を奏した

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髙安(押し出し)照ノ富士

きのう、離れて勝ちを逃した髙安が、きょうは離れて横綱を倒した。
 
照ノ富士との結びの一番。髙安はこの日はカチ上げにいかず、頭を下げて手はハズの、押し相撲の立ち合いだ。頭で当たった照ノ富士は左差しを狙ってきたが、髙安は当たった後右に回り、右からおっつけてこれを許さず。頭四つから髙安が引いたところ、照ノ富士はついていって押し込むが、髙安は早い引き足で右に回り込んで残した。再び押し合いから髙安が頭を下げて押すのを嫌った照ノ富士が引いたところを髙安が出る。照ノ富士はこれを残すが少し上体が浮き気味に。照ノ富士は局面を打開しようと蹴返しで揺さぶって引きを見せたが、髙安はついていって黒房下に押し出した。

「まあ厳しくいきました。流れの中でチャンスが何度かありましたけど、最後、ここだというところで決めることができました」と髙安。
 
今場所の照ノ富士はヒザに不安があり、7日目、8日目と連勝で来てはいたが、その相手は逸ノ城、錦木と、正面から組みに来るタイプ。動き回る相撲になったときにどうなるかという面は残したままだった。そこを考えれば、髙安としては、ガッチリ組まずに動きの多い、長い相撲に持ち込んだ方がチャンスが出ることは間違いなく、まさにこの日は髙安の作戦勝ちと言えた。
 
この日は照ノ富士が敗れたほか、大関陣も正代が宇良に引き落とされて8連敗で負け越し、貴景勝は霧馬山を突き離せず寄り倒されて3敗目、カド番の御嶽海も大栄翔に突き出されて6敗目と、またも横綱・大関陣が総崩れ。6日目のときは16年ぶりのことだったが、今度はわずか3日ぶりだ。
 
一方、平幕の好調組は相変わらず元気で、北勝富士が若元春を押し倒して9連勝、玉鷲も明生を一気に寄り倒して1敗をキープした。髙安はこの日敗れるようなら優勝争いから脱落するところだったが、金星で2敗をキープし、圏内に踏みとどまった。「千秋楽まで粘り強く、いい相撲が取りたいです」と髙安は気合十分。ほかには錦富士、千代翔馬が2敗だ。
 
また、貴景勝が3敗目を喫したことにより、2敗以上の星はすべて平幕勢となった。貴景勝に代わって、3連敗の後、6連勝と調子を上げてきた若隆景のほうに「三役代表」の期待は移っていく感じだが、この時点でトップと3差はそう簡単に逆転できないだろう。先場所に続き、今場所も優勝力士が平幕から出る可能性はかなり高くなった。
 
北勝富士、玉鷲、髙安の有力3力士がまだ顔が合っていないので、おそらくこのあとはこの3人の直接対決で勝ち残った力士が、さらに上位と当たっていく、という流れになるか(玉鷲はかなり上位戦が終わっているが)。まずはあす10日目、平幕同士のビッグカードの第1弾・髙安-北勝富士戦に注目だ。

文=藤本泰祐

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