アメリカンフットボールのXリーグ「X1 エリア」は9月17~19日にかけて第2節の4試合が東西の2会場で開催された。電通クラブ キャタピラーズとペンタオーシャン・パイレーツが2勝目で勝ち点6となった。富士フイルム・ミネルヴァAFCとアズワン・ブラックイーグルスは今季初勝利(勝ち点3)を挙げた。
「新習志野シリーズ」と銘打って、千葉県習志野市の第一カッターフィールド(秋津サッカー場)で3試合が開催されたが、台風14号の影響で悪天候となり、前半で終了となった試合もあった。
富士フイルム・ミネルヴァAFC○3 vs 0●三菱商事 クラブ トライアックス(9月18日、習志野市 第一カッターフィールド)
強い雨が降るだけでなく、雷鳴がとどろき稲妻が光る状況。
「コールドゲーム」があるということは、事前に両チームとも理解していたため、試合終盤のような緊迫した展開となった。
富士フイルムは、トライアックス最初のオフェンスシリーズを3&アウトに止めると、パントリターンで別府紘行が26ヤードを走って好位置からのオフェンス。ランで押し込んで先制のフィールドゴール(FG)を決めた。
その後、雷のため、2度に渡って試合が中断。再開後も、試合会場周辺の広い範囲で、雷雲が次々に発生する状況がレーダーなどで示された。天候の回復は見込めず、安全を確保するため、主催者判断として、前半終了時で試合終了となった。
富士フイルムのピンチは、第2Q。「X1スーパー」のIBMでプレーしていたトライアックスRB伊藤隆貴の連続ランを止められず、エンドゾーンまで21ヤードに迫られた。しかし、トライアックスのリバースプレーを読んで、4ヤードを押し返すタックル・フォー・ロス。さらに3rdダウンも止めて、タッチダウン(TD)を許さなかった
トライアックスのFGトライは、雨のため、ホルダーがスナップされたボールを受けそこない、後逸。富士フイルムの激しいタックルでボールデッドとなり得点できなかった。
この攻防が勝敗を分けた。中断時間も長かったため、選手たちは、肉体的な消耗は少なかったかもしれないが神経はすり減らした。富士フイルムにとって、こういう試合を勝ち切った意味は大きい。
ペンタオーシャン・パイレーツ○17 vs 3● 品川CC ブルザイズ(9月17日、習志野市 第一カッターフィールド)
パイレーツは、数年前までは、東京ガスやオール三菱とライバル関係だったチーム。昨年も電通を力でねじ伏せるなど、ベースのチーム力はエリア随一と言ってよい。そのパイレーツを、ブルザイズが、思い切りのよいディフェンスで第3Q途中まで封じ込めた。
0-0の均衡が破れたのは3Qも半ばを過ぎてから。パイレーツQB西澤凌介からWR大通広志へ24ヤードのパスが決まってゴール前まで攻め込むと、RB柴田健人のランTDで先制した。
勝敗を分けたのは次のブルザイズのドライブだ。ブルザイズQB南竹司が、3rdダウン12ヤードから投げたパスを、パイレーツDB渡辺寛がインターセプト。そのままリターンTDして、差を14点とした。
ブルザイズは、ディフェンスとは対照的に、オフェンスの不振が深刻。3Q終了まで8回のドライブ中、6回が3&アウト。0-17と3ポゼッション差で迎えた残り3分39秒からのオフェンスで、71ヤードを前進しFGを決めたが、このドライブ以外では、43ヤード、ファーストダウン更新5回にとどまった。
アズワン・ブラックイーグルス○24 vs 3● 警視庁イーグルス(9月19日、習志野市 第一カッターフィールド)
昨シーズン、両チームは第4節で対戦し、警視庁が競り合いを制した。この日も好勝負が期待されたが、予想外に一方的な試合となった。
アズワンは1QにK森下峻の30ヤードFG、RB田中萌の12ヤードTDランで10-0で折り返すと、3QにはベテランQB糟谷啓二郎のTDパスでリードを17点に広げた。
警視庁は、3ポゼッション差となっても、4thダウンショートでパントを蹴る消極的な戦い。4Q終盤にゴール前まで迫った時も、FGトライを選択した。
FGは決まって、14点差となったが、直後の警視庁のオンサイドキックをアズワンの三谷和也が判断よく前に出て好捕すると、そのままリターンしてTD、勝敗を決めた。
電通キャタピラーズ○42-10●名古屋サイクロンズ (9月18日、大阪・吹田市 MKタクシーフィールドエキスポ)