アメフトの世界最高峰、米プロフットボール・NFLの第3週マンデーナイトゲームは、現地9月26日にニュージャージー州イーストラザフォードであり、ダラス・カウボーイズが地区内ライバルのニューヨーク・ジャイアンツを23-16で破って2勝1敗とした。
カウボーイズは、エースQBダック・プレスコットの負傷で、替わって先発を務めるクーパー・ラッシュが、落ち着いたクオーターバッキング。4Qに勝ち越しのTDパスを決めた。開幕2連勝だったジャイアンツは今季初黒星となった。
(写真はすべてGetty Images)
旅先、出張先でもOK!PC・スマホ・タブレットで見よう ライブ配信サービス「日テレジータス NFLGO」NFL Week3 MNFカウボーイズ 3 3 7 10 23ジャイアンツ 0 3 10 3 16(2022年9月26日 ニュージャージー州 メットライフスタジアム)
ミスを取り返したWRラム 4Q残り8分34秒から、カウボーイズはゴール前1ヤード。QBクーパー・ラッシュが、エンドゾーン右に走ったWRのC.D.ラムにパスを合わせた。ラムは左手をスッと伸ばすと鮮やかなワンハンドキャッチ。タッチダウン(TD)でカウボーイズが勝ち越した。
ラム自身にとって今年最高のキャッチ。2QにQBラッシュからのロングパスをイージーなミスで落球していた。ほぼワイドオープンで、捕球していたらそのままTDもあり得たかもしれない。「取り損ねたTDを埋め合わせるためなら、何でもするつもりだった」と振り返ったラム。「タフだった。タフだった。しかし、勝利することができてうれしい」 と語った。
負傷中のダック・プレスコットに替わってスターターQBとなっているラッシュは、この日のパスは21/31、215ヤード1TD。派手さはない。だが、マイク・マッカーシーHCが「そうだね。彼はバタバタしないね」と認めるように、フィールドでもサイドラインでも、動揺しないところが長所だ。「ラッシュは、毎日同じで、一貫性がある」という。
出身校は、セントラルミシガン大学。1年生から先発し、50試合で、パス12891ヤード、90TD、55INTと言う成績を残した。インターセプトが多いのと、マイナーカンファレンスのMAC所属ということで、2017年のドラフトでは指名されず。カウボーイズに入団した。
入団後3年間でパスを投げたのはわずか1回。2020年には。他のQB(アンディ・ダルトン)を獲得するために、カウボーイズをいったん解雇されたこともあった。2021年の第8週、バイキングス戦で初先発し、残り51秒で劇的な逆転TDパスを決めて勝利していた。
今季2勝目。昨シーズンの1試合と合わせて、先発3勝0敗。カウボーイズのQBで最初の3回の先発で3連勝したのは、殿堂入りの名QBロジャーストーバック、元ヘッドコーチのジェイソン・ギャレットに次いで3人目となる。
またNFLによると、最初の3試合で、いずれもパス200ヤード以上、成功率60%以上、レーティング90以上で勝利したQBは、1950年以降では初めてだという。
カウボーイズ、ランが目に見えて改善 ラッシュの好パフォーマンスを支えているのはラッシングだ。カウボーイズのラン攻撃は、この3試合で目に見えて改善してきた。第1週バッカニアーズ戦が、18回71ヤード、第2週ベンガルズ戦が27回101ヤード。この試合は30回176ヤードだった。エジキール・エリオットが73ヤード1TD、トニー・ポラードが105ヤードと、2枚RBが存分に力を発揮した。
TDのドライブでは、シーズン前に補強した40歳の大型OL、ジェイソン・ピータースを左Gに入れたのが奏功した。NFL入りは2004年。イーライ・マニングやベン・ロスリスバーガーが同期と言う大ベテランのピータース。素早い動きで、ジャイアンツのLBを内側にシールブロック、RBポラードの46ヤードランをアシストした。
この先、QBプレスコットが戻ってきたとしても、この試合のようなランオフェンスを続けることは、カウボーイズにとって重要となる。
DEローレンスが3サック カウボーイズのパスラッシャーといえば、2年目のスーパースターLBマイカ・パーソンズ。だが、この試合では、ベテランのサックアーティスト、DEデマーカス・ローレンスが輝いた。1試合3サックはキャリアハイで、去年1シーズンに並んだ。
「気分は最高だ。今日は体が調子がよかったので、攻めた」 と語ったローレンス。かってはシーズン14.5サックを記録し、プロボウルにも2年連続で出場した30歳は、まだまだ活躍できることを示した。
ジャイアンツ、課題はOL 敗れたジャイアンツだが、この日の課題は、OLにある。QBダニエル・ジョーンズは被サック5回。NFLによると、全ドロップバックの40.5%でプレッシャーを受けたという。特に、今春のドラフト全体7位で入団し、RTとして先発している、まだ21歳のエバン・ニールにとっては辛い夜だった。
ただ、RBサクオン・バークリーが好調を維持している。ジョーンズも、パス・ラン共に悪くはない。1インターセプトを喫したが、残り1分で7点差を追いかけている場面なので仕方がない。切り替えて次に進むことが重要だ。