大晦日の東京・大田区総合体育館で行われた日本女子フライ級王座決定戦6回戦は、同級2位の平山夢(YuKOフィットネス)が同級1位の佐山万里菜(ワタナベ)を3-0(59対55×3)の判定で下し、デビュー以来の5連勝で新王者となった。
写真上=平山(右)の右ジャブがヒット(写真◉菊田義久)
両者は2017年12月にも対戦。アマチュア経験のある平山が、地元の福岡に当時プロ3戦目の佐山を迎え、4回判定勝ち(40対37×2、39対37)でデビュー戦を飾っている。場所を東京に変えての2年ぶりの再戦となったが、2回にリズムと距離をつかんだサウスポーの平山が最後まで足を止めず、距離を詰めてくる佐山を左ストレートで迎え撃ち、突き放し、ペースを渡すことなく返り討ちにした。
真っ白なベルトを手にした19歳は、「最高です! めちゃくちゃ嬉しいです!」と初々しい笑顔。年明けの成人式には試合前からチャンピオンとして出席するつもりで、「(ベルトの白が)“ばえる”ように振袖は青にしました」と、また屈託のない笑顔を浮かべた。
それでも試合内容については「一度判定で勝ったことのある相手だったので、倒したかったです。満足はしていません」と厳しい。得意とする左ストレートを生かすために「右ジャブをうまく使ったり、もっとボディを打ったりしたかった」と、さらに上を目指して反省を忘れなかった。
父親の平山司さんは、元東洋太平洋ライト級王者の坂本博之さんと同じ児童擁護施設『和白青松園』で育ち、自身もプロボクサーとしてリングに立った経験を持つ。父親の現役当時の映像を見て、「やってみたい」とボクシングを始めた娘を「最初は複雑な気持ちでしたけど、本気でやるというなら、自分の人生を懸けて応援したい」と、この日もセコンドにつくなど、全力でサポートしている。
ジムのふたりの先輩、元WBC女子世界ミニマム級王者の黒木優子のような「パンチをもらわずに打つ、きれいなスタイル」、この11月に東洋太平洋女子ミニマム級王者となった葉月さなのような「打ち合いもできる、力強いボクシング」、それぞれの良さを吸収して、「憧れの先輩方を超えられるように頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
取材◎船橋真二郎
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