close

2022-10-03

【アメフト】電通、パイレーツが3連勝、1敗で追う富士フイルムとアズワン 警視庁は1歩後退 X1エリア

2Q、電通WR生駒がQBエリスからのパスをキャッチしてTD=撮影:小座野容斉

全ての画像を見る
アメリカンフットボールのXリーグ「X1 エリア」は10月1・2日に第3節の4試合が東西の2会場で開催された。ここまで2勝の2チームは、電通クラブキャタピラーズが三菱商事クラブ トライアックスに快勝、ペンタオーシャン・パイレーツも名古屋サイクロンズに大勝し、3戦全勝(勝ち点9)とした。
 1勝1敗同士の富士フイルムミネルヴァAFCと警視庁イーグルスの1戦は、富士フイルムが競り勝った。またアズワン・ブラックイーグルスは品川CCブルザイズに大勝した。富士フイルムとアズワンは2勝目で共に勝ち点6となった。警視庁は、一歩後退となった。

電通クラブキャタピラーズ○38-7●三菱商事クラブ トライアックス
(2022年10月2日 富士通スタジアム川崎)

電通が、1Qから着々と得点して快勝した。
1Q 7分にQBアーロン・エリスがWR河波正樹にTDパスを決めて先制。エリスは2Qにも2本のTDパスを決めて、28-0とリードして折り返した。電通は3Qにフィールドゴール(FG)で加点すると、4Qにも2番手QB伊藤宏一郎がTDパスを決めて、トライアックスを突き放した。
=撮影:小座野容斉
QBエリス、パスの調子が上がる
 
 スコア上は一方的な展開となったが、オフェンスのスタッツ上は、ほとんど差が無かった。トータルヤードが電通323、トライアックス297。ファーストダウン更新は共に12回。3rdダウンコンバージョンは電通3/7(43%)、トライアックス5/12(42%)だった。
 RB伊藤隆貴を中心に、3人のRBで攻勢をかけたトライアックスに対し、電通はQBエリスのパスが決定力を見せた。
 3本のTDは、いずれも違う種類のパスで決めた。TE山本俊太朗に決めた2本目のTDパスは、最初のタイミングで投げられず、ラッシュを回避して左右に動きながら、エンドゾーンでフリーになっていた山本を見つけたもの。3本目は、ゾーンカバーの切れ目に走り込んだWR生駒一将にロングパスを通した。
=撮影:小座野容斉
 9月27歳になったエリスは、セント・フランシス大学の出身。同大はNCAA(全米大学体育協会)とは違う、別の大学体育組織NAIAに所属している学校で、実力は不明だ。その後欧州のクラブチームを渡り歩き、昨年は新興プロリーグELFでプレーしていた。
 この試合では、エースWR小貫哲など6人のレシーバーに投げ分けた。レシーバーとの呼吸も合ってきている。悲願のX1スーパー昇格に向けて、電通の調子も上がってきている。

富士フイルムミネルヴァAFC○13-10●警視庁イーグルス
(2022年10月1日 富士通スタジアム川崎)

 富士フイルムが競り合いを制した。先制は警視庁。1QにK山口達也が25ヤードFGを決めた、富士フイルムもWR兼任のK安達絹心が2Qに20ヤード、3Qに42ヤードのFGを決めて逆転。さらに、4QにはQB鈴木貴史がWR桑原司にTDパスを決めてリードを10点に広げた。
 警視庁も試合残り3分を切ったところで、QB齋藤詩伸がWR恒吉幸紀にTDパスを決めて追いすがったが、次のオフェンスで齋藤のパスを、富士フイルムのLB益本有人がインターセプト。決着をつけた。
=撮影:小座野容斉

ランディフェンスが機能


 昨シーズンは試合残り3分からの逆転TDの応酬だった両者。エリア随一のフィジカルを誇る警視庁に走り負けた感があった富士フイルムだが、この試合ではランディフェンスが機能した。警視庁のランをわずか33ヤード、昨年のほぼ1/3に抑えた。
 LB益本がタックルフォーロス3回で、18ヤードも押し戻したばかりか、最終盤には試合を決めるインターセプトも見せた。
 自身も現役時代LBだった朝倉孝雄ヘッドコーチも「ディフェンスに関しては、今日は本当によくやったと思う」と称賛した。
 次戦は全勝のパイレーツ。昨年は3点差で敗れているだけにリベンジしたい。その先に見えているのは入替戦だ。

=撮影:小座野容斉

「重大警備事案」が続き、練習不足に

 昨シーズンは4勝2敗と、昇格できなかった8チーム中最も好成績だった警視庁。しかし、前節に続いて痛い黒星となった。
 選手は全員が第9機動隊のメンバー。第2節から第3節の試合の間には、東京都内で重大な警備案件が続いており、ほぼ練習ができなかったのが響いた。しかし、シーズン前からこの日程は分かっていたこと。佐藤康介監督も「仕事が忙しいのは、社会人フットボールである以上、どのチームも同じ。言い訳にはならない」と前節終了時に語っていた。
 去年は、あと1勝を勝ち切れず、あと1本のFGが決まらずに、X1スーパー昇格を逃した。その悔しさを胸に、今季残り試合にすべてをかける。


アズワン・ブラックイーグルス○41-14●品川CCブルザイズ
ペンタオーシャン・パイレーツ○35-7●名古屋サイクロンズ
(いずれも2022年10月2日 大阪・吹田 MKタクシーフィールドエキスポ)

【小座野容斉】

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事