23日、横浜アリーナで行われるトリプル世界戦の前日計量は22日、東京・九段のグランドパレスで行われ、出場する村田諒太(帝拳)ら6選手とも、一発でリミットをパスした。戦いはいよいよ明日、ゴングを迎えるだけとなった。
上写真=余裕をもって計量を終えた村田
計量の結果は以下のとおり。
WBA世界ミドル級タイトルマッチ
村田諒太(帝拳) 72.3キロ
スティーブン・バトラー(カナダ) 72.5キロ
IBF世界フライ級タイトルマッチ
モルティ・ムザラネ(南アフリカ) 50.8キロ
八重樫東(大橋) 50.8キロ
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
寺地拳四朗(BMB) 48.8キロ
ランディ・ペタルコリン(フィリピン) 48.2キロ
計量はボクシングにとって大事なイベントでも、いまだ勝負に至る『経過』に過ぎない。無事にパスしながらも、村田の表情はどこまでも静かだった。
「とくにやってやろうという気持ちにはなっていません。ただ、計量にパスしただけのことです」
ごく当たり前のことをやっただけと、穏やかな表情で語る。
「当然、緊張はありますが、ベルトを守ると強く意識しているわけではなく、明日はベストを尽くしたいとだけ思っています。着飾ることなく、無理に功に走ることなく、やるべきことをやるというところですか」
すべてはリングに持っていくと、そんな心境なのだろう。
八重樫はその人柄のとおり、柔和で快活だった。
「(計量を終えた)ここから時間の流れが速くなっていくんです。やることをやって、いいコンディションでリングに上がるだけです」
故郷・岩手から取材に来たテレビカメラに向かって、「がんばりますので、応援よろしくお願いします」とふんだんの笑顔を見せた。
寺地はひょうひょうとした会話に、安堵を漂わせた。実は水分を絶つのをこれまでの計量3日前から2日前に変えた。
「はじめてやから、どうなんやろうと。結果、疲れもないし、よかったです」
これが7度目の防衛戦。すっかり安定王者の風格も出てきた。大事な世界戦を前に初めての試みに挑んだのも余裕の表れだ。
なお、52.5キロ・リミットの8回戦で、15ヵ月ぶりの試合を行う元3階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)もリミットいっぱいでパスしている。
文◎宮崎正博 写真◎山口裕朗
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