12日、東京・後楽園ホールで行われた日本ユース・バンタム級王座決定8回戦は、石井渡士也(REBOOT.IBA)が石川春樹(RK蒲田)に4回30秒TKO勝ちでタイトルを獲得した。
写真上=「結構重いですね。でも次は別のベルトがほしい」と石井
今春、高校を卒業したばかりの石井が、プロ3戦目で存在を派手にアピールした。昨年の東日本新人王・石川と、猛烈な強打の応酬。倒し、倒され、最後はロープの外に吹っ飛ばして、初のベルトを腰に巻いた。
初回は切れのいいジャブを間断なく放ってペースをつかんでいたかに見えた石井。だが、石川のプレスにつられて打ち合いになり、左フックで先制のダウンを奪う。これで火がついた石井は2回、決めにかかったところへ、ロープを背負った石川の左フックをもらって今度は自分がダウン。再開後も両者ビッグパンチを振り回し、左フックの相打ちで石井が大きくよろめいた。
「熱くなってしまった」という石井だが、3回には再び左を突いて立て直したのが非凡なところだ。続く4回には、石川の右に合わせて打ち込んだ右ストレートが爆発。「あれだけは見えなかった」と石川が言う一撃で、豪快に試合を終わらせた。
「3回目で冷静になれた。2回のダウンはバランスを崩したところだったので気にしなかったが、ポイントを取り返そうと焦ってしまった。試合は8ラウンドまであるのに……」と反省も込めて振り返った石井。
今はバンタム級の石井だが、高校時代はライト級でインターハイ準優勝。身長163センチと小柄ながら、下肢の強さを活かしたパンチの威力は「ミットを受けていて、しんどい」と射場哲也会長がこぼすほどだ。3戦目のユース王座はねらいどおり。2020年は最強挑戦者決定戦を新たな目標に掲げた。
取材◉藤木邦昭
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