11月7日、WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)決勝で、濃密なフルラウンドを戦った末、“レジェンド”ノニト・ドネア(フィリピン)を攻略して優勝したWBAスーパー&IBF世界バンタム級チャンピオン井上尚弥(26歳=大橋)が9日、ジムワークを再開した。アメリカのトップランク社と契約し、いよいよ来年、本格的にアメリカ進出となる井上尚弥は、「次は4月ごろ、ラスベガスでと聞いています。標的はWBO王者のジョンリール・カシメロ(フィリピン)です」と、あらためて明言した。なお、13日(金)発売の『ボクシング・マガジン1月号』では、井上尚弥のロングインタビューを掲載。こちらもぜひ、お読みいただきたい。
「バンデージの巻き方忘れちゃいましたよ(笑)」などとおどけたが、心身ともにリフレッシュし、ここに戻ってくることが楽しみでしかたない様子だった
「いやー、やっぱり息が上がりますね」。シャドーボクシングのインターバル中、心地よさげに汗を拭いながら、苦笑いを浮かべる。「フィジカルとかロードワークは始めてますが、ミット打ちは試合後、今日が初めて。こんなに長く休んだのは初めてですから」。ドネア戦で負った眼窩底骨折などの影響により、心身ともに体を休めていたわけだが、それにしても試合からひと月での再開は、常識的には早い。だが、以前は試合翌日に練習をスタートするのが“井上家の流儀”だったのだから。
ジャブを大切にしている意識は、ひしひしと伝わってくる
入念なストレッチから始まり、シャドー、ミット、またシャドーとこなす。従来のメニューに比べれば軽く、力ももちろんマックスではないが、一発一発の動作が緻密なのはいつもどおりだ。足の位置、つま先の方向、重心の位置、上体と下半身の連動。打ち終わりの意識……。決して、なんとなくはやらない。一つひとつの所作を無駄にせず大切にする。この積み重ねこそが、いまの自分を築き上げたのだというプライドがあるからだ。
「アメリカに家、買ったんだよな?」と父・真吾トレーナーに言われて苦笑い。その予定もひょっとしたらあるかも!?
心配された目の負傷だが、順調に回復している。「今週、もう1度検査して、また報告します」というが、本人の様子を見るかぎり、おそらく問題ないだろう。試合中、ドネアが二重に見えたという衝撃的な事実があったが、「試合直後のインタビューのときは、もう大丈夫でしたから」と言うからひと安心だ。
2020年は、また新たな扉を開くことになる。本格的にアメリカに進出し、かねてから望んでいた「強敵との対決」がまたスタートするのだ。その第1弾候補が、すでに報じられているとおり、WBOの新王者カシメロだ。ともに対戦を望んでおり、「WBOとトップランクと相手のプロモーターとの交渉次第」(井上尚弥)。すでにカシメロの動きを「なんとなく頭にインプットして」動いているという。
太田光亮トレーナーのリターンをウィービングでかわす
「カシメロはドネアより危険だと思う。若いし、野獣的な勘もあるし、いい意味でのバカ。怖いもの知らずのバカで、それはボクサーにとって必要なこと」。
ある種の“鈍感力”とでも言おうか。警戒心が強ければ、動きは取れなくなる。危険を顧みずに飛び込んでいく勇気、もしくは無知は、ときとして、大きな成果を生み出すからだ。
しかし尚弥は、「前半気をつければ、どんどんメッキを剥がしていける」と自信をみなぎらせるのだ。
検査結果次第だが、「試合を4月と考えて、逆算してスパーリング開始や、キャンプの日程なども決めたい」と話す。
ヘッドスリップでかわした体勢が、そのまま次の攻撃のかたちになっている
カシメロをはじめ、バンタム級とその近辺には好選手が集まっていて、彼らもパウンドフォーパウンド上位の「ナオヤ イノウエ」に、かなり興味を抱いており、対戦希望を口にする選手も多くなってきた。それほど知名度はグンと広がり、世界的強豪に“狙われる”存在になったというわけだ。
それでも井上尚弥は変わらない。
「自分はいままでどおり、自分のボクシングを貫くだけ。強敵相手に、しっかりと自分の良さを出して、井上尚弥というボクシングを見せていきたい」
いまだドネア戦の余韻冷めやらずだが、2020年の井上尚弥は、さらに高いステージへと羽ばたいていく。いったい、われわれはどれだけ夢を見ることができ、楽しませてもらえるのだろうか。
文&写真_本間 暁
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