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2019-11-24

【海外ボクシング】アルバラードがカンシオ下し初戴冠/中国のシューが無敗ロブレス下しV2

23日(日本時間24日)、アメリカ・カリフォルニア州インディオのファンタジー・スプリングス・カジノで行われたWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦は、挑戦者1位のレネ・アルバラード(30歳=ニカラグア)が、王者アンドリュー・カンシオ(31歳=アメリカ)を7回終了KO(※カリフォルニア州ルールによる)で下し、新チャンピオンとなった。

上写真=双子のフェリックスに続き、とうとう世界チャンピオンとなったレネ

 決意あふれる先制攻撃が結果的に功を奏した。初回、ガードを上げるカンシオの間隙をぬって左フックを鋭角的に差し込み、さらに右を叩きつけると、早くも王者の足取りがもつれる。一気に決めにかかったアルバラードが猛烈な連打を見せるが、ここはカンシオも耐えてみせた。

 すっかり気分のよくなったアルバラードは、リズミカルな連打。カンシオは、いきなりのビハインドを取り戻そうと、ボディ攻め主体で打ち合いに挑んでいく。だが、アルバラードの右が的確に決まっていくと、カンシオの左目上が腫れ、4回開始直後にドクターチェック。さらにこの回、アルバラードの右がヒットすると、その箇所から出血が始まった。

 しきりに左目を気にするカンシオは、各ラウンドの開始直後は勢いよく攻めるのだが、アルバラードの左フック、右ストレートが決まると尻すぼんでいく。5回終了後のインターバルでは、ドクターの入念なチェックにより、1分以上の休憩が取れ、ダメージもやや回復した様相となったのだが……。

 アルバラードは、冷静にカンシオの回復具合を見ていた。距離をとってカンシオをいなし、左リードを丹念に突きながら右カウンターをヒット。さらに左フックをカンシオの顔面へ。7回もアルバラードは間合いを築き、今度は左ブローでカンシオの傷口を的確に攻めた。そしてこの回が終了すると、レフェリーはカンシオに続行を許さなかった。

 2015年12月、両者は10回戦で対戦しており、このときはカンシオが8回KOで勝利している。アルバラードは、リベンジに成功するとともに、長年追い続けた世界初挑戦のチャンスを見事にものにした。戦績は32勝21KO8敗。

 先ごろWBC世界ライトフライ級チャンピオン寺地拳四朗(BMB)との王座統一戦をキャンセルしたIBF同級王者フェリックスとは双子。昨年10月に世界王座を獲得したフェリックスに続き、1年遅れでの悲願達成だ。

手数とスタミナで、無敗挑戦者を破ったシュー

 セミファイナルではWBA世界フェザー級タイトルマッチ12回戦が行われ、チャンピオンのシュー・ツァン(25歳=中国)が、挑戦者3位のマニー・ロブレス3世(25歳=アメリカ)を、軽打ながら初回から最後まで猛烈な手数で攻め続け、120対108、119対109、118対110の大差3-0判定で勝利。シューは2度目の防衛に成功した(18勝3KO2敗)。
 ジャブをはじめとし、再三シューの顔面を跳ね上げたロブレスだが、乱れ打ちのシューに比べればどうしても手数は見劣りする。ブロッキングの時間も長く、シューにリズムを握られっぱなしになってしまった面もある。19戦目のロブレスはこれがプロ初黒星(18勝8KO1敗)。

Photos by Getty Images

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