令和元年度第89回全日本ボクシング選手権大会の決勝戦が24日、鹿児島県・阿久根市総合体育館で開催された。52kg級、57kg級、63kg級、69kg級、75kg級、81kg級の6階級の優勝者は2月3日〜14日、中国・武漢で行われる2020東京五輪アジア・オセアニア予選に出場する権利を得た。なお49kg級と60kg級では、ラウンド終了後に採点を公開するシステムが準決勝から採用された(試合結果は上が勝者)。
写真上=左から梅村、森脇、岡澤、成松、堤、田中
★49kg級決勝
川谷 剛史(日連推薦・東洋大学)
【判定5ー0】
小川 翼(東海・東京農業大学)
[戦評]
川谷が左とフットワークを有効に使って小川の果敢な前進をさばき、ジャッジ3者が30対27、2者が29対28のポイントで初優勝を飾った。
★52kg級決勝
田中 亮明(日連推薦・中京学院大学附属中京高校・教)
【判定3ー2】
坪井 智也(東海・自衛隊体育学校)
[戦評]
坪井がスタートから激しくプレスをかけて先制。サウスポー田中は左のカウンターで迎え撃つ。ともに左目上をカットする接戦は、3者が1点差で田中、2者が3点差で坪井。坪井陣営は判定に異議を唱えイエローカードを提示したが、審査の結果、再び田中が勝者と認められた。田中は3年ぶり2度目の全日本優勝。
★57kg級決勝
堤 駿斗(日連推薦・東洋大学)
【判定5ー0】
藤田 健児(日連推薦・自衛隊体育学校)
[戦評]
初回はサウスポー藤田が巧みに左をヒット。2回から堤が左を基調に巻き返す。堤は3回も積極性を増して右アッパーを決めた。判定は2者が30対27、3者が29対28で堤に上がった。高校6冠に輝いた堤は2年ぶり2度目の全日本制覇。
★60kg級決勝
西山 潮音(東海・駒澤大学)
【判定5ー0】
山原 武人(関西・大阪商業大学)
[戦評]
パワフルなワンツーが応酬される中、サウスポー西山が有効打で上回る。3回には山原にカウントも聞かせ、全日本初出場で頂点に立った。
★63kg級決勝
成松 大介(日連推薦・自衛隊体育学校)
【判定5ー0】
今永 虎雅(関西・東洋大学)
[戦評]
成松がディフェンス、フットワーク、パンチの的確性すべてに上回り、同じサウスポー今永の攻撃を余裕をもってさばき切った。リオに続く五輪を狙う成松は、3年連続9回目の優勝。
★69kg級決勝
岡澤セオン(日連推薦・鹿児島県体育協会)
【判定5ー0】
鈴木 康弘(北海道・K&Kボクシングクラブ)
[戦評]
サウスポー同士。岡澤が変幻自在の動きから速いパンチで圧倒するが、ロンドン五輪代表の鈴木も3回に長身からの連打で逆襲。岡澤が逃げ切り、2年連続優勝を果たした。
★75kg級決勝
森脇 唯人(日連推薦・自衛隊体育学校)
【判定5ー0】
細野 恭兵(日連推薦・近畿大学)
[戦評]
昨年決勝のリベンジを期して力強い連打で距離を詰めていく細野に対し、森脇は左を軸に速いパンチで迎え撃つ。スピードと有効打で上回る森脇が3連覇を飾った。
★81kg級決勝
梅村 錬(日連推薦・拓殖大学)
【判定4ー1】
鬼倉 龍大(関東・茨城県ボクシング連盟)
[戦評]
リーチにまさる鬼倉が遠い距離から右ストレートを飛ばし、梅村はパワフルに飛び込んで追い回す。微妙な判定は攻めた梅村に下り、鬼倉側の異議申し立ても結果は覆らなかった。梅村は初優勝。
★最優秀選手賞 岡澤セオン
★優秀選手賞 成松大介
★技術賞 堤 駿斗
★敢闘賞 森脇唯人
写真◉西村華江
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