
12月23日に横浜アリーナで行われる予定だった王座統一戦が中止になったWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)が22日、練習拠点にしている三迫ジムの主催興行の観戦に訪れた東京・後楽園ホールで取材に応じた。
写真上=後楽園ホールで会見した拳四朗
対戦予定だったIBF王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)が体調不良により試合をキャンセルし、急きょ代役としてWBC14位のランディ・ペタルコリン(フィリピン)を迎え、7度目の防衛戦を行うことになった。
まずは「試合をできないことが怖かったので、受けてくれたことがありがたい」とペタルコリンに感謝を表した拳四朗。目標のひとつでもあった統一戦が流れたことには「来年に持ち越し。ズレただけだと思って」と、いつもどおりの笑顔でかわし、すでに「メインの防衛回数」に視線を向けている。
オーソドックスのアルバラードに対し、ペタルコリンは左構え。試合までの残り1ヵ月、急ピッチでサウスポー対策を進めることになる。それでも自分の距離感に絶対の自信を持つ拳四朗は、「サウスポーも得意になってきたから」と問題なしを強調。早速、三迫ジムの加藤健太トレーナーと試合映像をチェックし、「いい選手だなと思いましたけど、スピードと距離感で圧倒できると思う」と言いきった。
31勝23KO3敗1分の戦歴を持つペタルコリンはバランスのいい正統派で、“Razor(カミソリ)”の異名どおりのシャープなサウスポー。昨年10月にアルバラードと王座決定戦を戦い、7回にボディで3度倒され、TKOで敗れているが、先ごろ引退を表明した田口良一(ワタナベ)がWBA王者になった当時の暫定王者でもあり、その実力を認めて対戦を熱望したこともあった。一時はフィリピン軽量級のホープのひとりにも数えられた実力者で、年齢もまだ27歳。アルバラードとの統一戦がなくなったのは残念だが、これはこれで興味深いマッチアップになる。
連続防衛7度は、その田口と並び、日本のライトフライ級王者としては2位タイの記録になるが、拳四朗の目標は「まだ先」とあくまで具志堅用高の日本記録13の更新。「僕はとにかく練習して、勝つだけ」と、目指す防衛ロードの折り返し地点を迎えるWBC王者の気持ちは揺るぎない。
取材・文◉船橋真二郎
写真◉藤木邦昭
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