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2022-11-14

【相撲編集部が選ぶ九州場所2日目日の一番】御嶽海、逸ノ城を押し出し、大関復帰へ連勝

巨漢・逸ノ城を押し出し連勝とした御嶽海。大関復帰へ、まずは好スタートを切った

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御嶽海(押し出し)逸ノ城

右肩のケガなどもあり、大関在位わずか4場所で関脇に陥落、今場所、大関復帰をかけて土俵に上がっている(10勝を挙げることが条件)御嶽海。初日は実力者の明生に対して迷いのない当たりから攻め勝って白星スタート。この調子が本物かどうか、初日に先場所優勝の玉鷲を破った逸ノ城との2日目の相撲が注目された。
 
まずは大きな相手に圧力勝ちできるかどうか、カギを握る立ち合い。御嶽海は左から中に入る形を狙いながら、頭を上げずにいい角度で当たった。ただここは相手もさすがに212キロ、勢いとしては少し押し返される形にはなったが、御嶽海は上体を起こされることはなく、慌てずに余裕を持って右への回り込み。ここでいったん体が離れたことで、巨漢・逸ノ城の立ち合いの勢いをそらすことに成功した。再び当たり直すと、今度は低さを生かして体を密着させ、そのまま押し出し。ほぼ危なげない内容で連勝とした。
 
これで大関復帰まであと8番。初日、2日目はいずれもいい立ち合いから流れをつかむことに成功しており、手応えが感じられる内容だ。先場所、2日目まで好内容を見せながら3日目からまさかの大崩れとなってしまった前例があるので、まだこの段階で安心はできないが、とりあえず好スタートを切れたことは間違いない。
 
この日は、取組後のリモート会見には姿を見せず。もうここからは、「番付が下の者に勝つのは当たり前」の局面に入ったということか。初日の取組後のコメントでは、「まだまだ始まったばかり。しっかり15日間を乗り越えていきたい」と語っており、気持ちは“星勘定しないで一番一番に集中”というイメージで落ち着いているよう。あとは、動き回ってペースを乱そうとしてくるタイプの相手にどういう立ち合いを見せられるかと、もしも一番落してしまうことになったときに翌日をうまく乗り切れるか、といったところが前半戦のカギになってくるか。
 
そのほかの取組では、貴景勝がこの日も立ち合いよく、琴ノ若を一方的に押し出して連勝。カド番大関の正代は初日を出し、大関を狙う若隆景も、頭を上げない“らしい相撲”で2日目にお目覚め。幕内下位では、休場明けの元関脇阿炎が初日に続いて強烈な突きで千代翔馬を破り連勝。今場所の台風の目になりそうな空気を漂わせてきた。

文=藤本泰祐

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