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2022-11-21

【相撲編集部が選ぶ九州場所9日目の一番】来場所の大関は何人? 復帰目指す御嶽海も維持目指す正代も黒星続く

若元春に寄り切られ、ガックリの御嶽海。ついに5敗目、今場所後の大関復帰へ、いよいよ後がなくなった

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若元春(寄り切り)御嶽海

最後の4番で、東関脇の若隆景から関脇御嶽海、正代、貴景勝の両大関と、番付上位が総崩れ。このコラムでも、できれば勝ち力士の景気のいい話を書きたいものだが、今日はさすがに不甲斐ない上位陣に触れざるを得ないだろう。
 
中でも心配されるのが、先場所大関から陥落し、復帰を目指す御嶽海と、5度目のカド番の今場所、大関の座の維持がかかっている正代だ。
 
先に土俵に上がったのは御嶽海。若元春を相手に、立ち合いは五分に当たったが先手を取るまでには至らず、突き押しを振りほどかれてからは左にイナした直後に中に入られ、相手得意の左差し、右上手を許す。そのまま体を寄せられて腰が伸び、青房下に寄り切られた。

「立ち合いは当たり負けた感じになったが、しっかり下から行けて、そこから左がのぞいていけたんで、まあよかったかなという感じですね」とは若元春。
 
御嶽海も、おそらくは口に出さないだけで、どこか悪いところがあるのだろうが、頭で来るわけでもない若元春は、タイプとしては上位の力士の中では比較的立ち合い先手が取りやすい相手のはず。そこで先手を取り切れず、突き押しをしのがれてサッと捕まえられてしまうあたりに、御嶽海の現状の苦しさが見える。
 
これで4連敗となり、5敗目。二ケタ勝利へは、もう一番も負けられなくなった。もちろん、このあと全勝の可能性がないわけではないが、ここ数日の相撲からすると、それはあまり現実的な話とも思えないのが正直なところだ。
 
続いて登場した正代も、九州のファンの声援むなしく、大栄翔に一方的に押し出されて5敗目。「相性とかあまり気にせず、常に自分の相撲を取り切るという考えでやっています」と大栄翔は言うが、もともと胸を出すような相撲なので、大栄翔からすると正代は合うタイプなのだろう。この日も苦手(この6場所で正代は1勝5敗)のこの相手になす術がなかった。
 
これで今場所3度目の黒星先行、カド番脱出には残り6日間で4勝2敗が必要になった。2日目からの連勝、連敗のリズムがそのまま続けば8勝7敗だが、そんな気楽なことも言っておられまい。こちらは時折、腰の下りた立ち合いが見られる日もあり、まだ希望は少しあるが、まずは明日、優勝争いのトップを走る豊昇龍に大関の意地を見せてきっかけをつかみたいところ。このままでは、来年1月場所の番付で、大関は貴景勝一人になってしまいかねない。
 
この日、優勝争いのほうは、阿炎が錦富士、髙安が明生の鋭い動きに崩されて2敗目。1敗に豊昇龍と王鵬、2敗でこの日敗れた髙安、阿炎と、この日勝った錦富士が続く形になった。5人の番付が散っているため、ここまでは直接対決が2番だけという中での優勝争いになっているが、果たしてここから先はどうなるか。若隆景が4敗に後退し、年6場所すべて異なる優勝者になることはもはや濃厚だが、豊昇龍が三役の意地を見せて初優勝に輝くか、それともほかの力士が3場所連続の平幕優勝を実現させるか。今後の取組編成とともに、見通しの難しい場所になってきた。

文=藤本泰祐

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