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2022-11-16

【相撲編集部が選ぶ九州場所4日目の一番】優勝候補はどこに??? 4日目で全勝消え、上位力士も次々敗退

豊昇龍が髙安に叩き込まれて、4日目にして早くも全勝力士が消えた。上位陣も次々に敗れ、優勝争いはさらに混とん

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髙安(叩き込み)豊昇龍

4日目で幕内の全勝力士がいなくなった。これは昭和44(1969)年11月場所以来、53年ぶりのことらしい。
 
まず、幕内に入って2番目の取組で、平戸海が「思った以上に距離が遠くて……」と、東龍の懐の深さに攻めきれず土。その4番後に琴勝峰が、「しっかり前に出続けられた」という王鵬にうまく攻められて叩き込まれ黒星。その2番後には阿炎が「立ち合いに圧をかけて突かせないようにした」と対策を立ててきた阿武咲に押し倒され、平幕の全勝が消えた。
 
三役の全勝力士も崩れた。新小結の翔猿は右下手を取って霧馬山の左脇に潜る形から上手ひねりで潰され1敗。「ちょっと入りすぎた。あんなに深く入ったら厳しいですね」と振り返った。そして最後に残った関脇豊昇龍も「いい当たりができた。きょうも前向きな相撲が取れました」という髙安に叩き込まれ、ついに、というか、早くも全勝は一人もいなくなった。
 
この日崩れたのは全勝力士だけではない。終わり3番の上位力士も、若隆景が琴ノ若の腕捻りに敗れ、貴景勝は明生に組みつかれて寄り切られ、さらに正代は逸ノ城に左上手をガッチリ取られて寄り切られる、といった具合で、3人そろって2敗目だ。
 
昨日は「まだまだ今場所は上位力士が踏ん張っている」みたいなことを書いたが、いやはや、これで優勝争いはまたほぼここから「ヨーイ、ドン」に戻った感じで、現状1敗力士は14人いるが、まったく誰が優勝候補なのかすら分からなくなってきた。
 
ここまでの星勘定から強いて探せば、このコラムでもすでに3度登場しているが、初日に若隆景、3日目に貴景勝、4日目に豊昇龍と、その時点のV争いのトップランナーを倒してきている髙安が浮上してきたと言えるが、初日に気にしていた右足の具合がどうか、自分が先頭を走ることになったときに精神状態がどうなるか、というところは懸念材料として残る。
 
ちなみに、冒頭で紹介した昭和44年11月場所では、今、NHKの解説でおなじみの、当時西大関の北の富士さんが、3勝1敗からしっかり勝ち込んで13勝2敗で優勝しているが、今場所はそんな高い優勝ラインはまず望めない気がする。

文=藤本泰祐

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