close

2022-11-24

【相撲編集部が選ぶ九州場所12日目の一番】王鵬が同期対決で豊昇龍破る。優勝争いは再び混戦突入!

王鵬が豊昇龍を2敗に引きずり下ろし、優勝争いは再び混戦へ。果たして待つのはどんな結末か

全ての画像を見る
王鵬(叩き込み)豊昇龍

2敗の王鵬が、ただ一人1敗で優勝争いの先頭を走っていた豊昇龍を破った。

平成30(2018)年1月場所初土俵で、同学年、同期生の対決。ちなみに前相撲と序ノ口では王鵬(当時は納谷)が連勝、その後幕下で一度顔が合ったときには首投げではあるが豊昇龍が勝っている。

とはいえ、現在の番付は豊昇龍が関脇、王鵬が前頭13枚目。同期ということで、王鵬に番付の差に気後れすることなくぶつかれるはず、というアドバンテージがあるとはいえ、現在の力ではやはり豊昇龍がかなり有利では、というのが戦前の予想だった。

しかし、相撲はやはりやってみなければ分からない。立ち合い。頭で低く当たった豊昇龍を、「メチャクチャいい立ち合いができたと思います」という王鵬が突き返す。低さでは豊昇龍がまさったが、やや押し込んだのは王鵬だ。それでも豊昇龍は左をハズに、頭を下げて右は相手の胸から腹のあたりを押して一気に前に出る。

ただ、王鵬には押し込んだ分だけ余裕があった。速い引き足で左へ回って叩きを見せると、豊昇龍はついていけずに前に落ちた。豊昇龍は、もしかしたら「負けられない」という意識で、必要以上に肩に力が入っていたのかもしれない。それぐらいしか原因は考えつかないが、上半身だけが出て前のめりになったところをタイミングよく叩かれてしまった。

王鵬が豊昇龍を引きずり下ろし、かくしてこの日勝った髙安とともに、また3人が並ぶ形になった。現在の番付やこれまでの実績では3人では一番下の王鵬だが、「(取組の)時間が全然違うので、緊張感を感じたというより、“まだかな、まだかな”という感じでした。小さい頃から夢見ていた上位の土俵で相撲が取れて、優勝(争い)にも絡んですごいうれしい。自分は“楽しい”が一番勝っていますね」という取組後のコメントには、さすが大横綱大鵬の孫らしい大物感が漂い、この先も、もしかしたら驚くようなことをやってくれるのでは? という期待を抱かせる。

これで、2敗の3人に続いて、貴景勝、阿炎、輝の3人の3敗力士も1差につける形になり、優勝争いは再び混戦に突入だ。

明日の割では、輝に阿炎、髙安に王鵬、貴景勝に豊昇龍と、優勝を争う2敗と3敗の6人による直接対決が3番組まれた。3番あるものに対して言い方がおかしいかもしれないが、どれも大一番だ。

明日終了時点でも、最低1人は2敗の力士が残ることは確定しているので、優勝に向けてはやはり現時点では2敗の3人が3敗の3人よりはだいぶ有利だが、では2敗の3人の中で誰が有利かということになると、大きな優劣はつけづらい。

豊昇龍は番付的には一番上で実力があるが、今後対戦が予想される相手の貴景勝(確定)、若隆景、霧馬山または錦富士は、やはり3人の中では一番手強い。髙安は相撲内容では3人の中で一番いい気がするが、過去、優勝争いでトップに立つ度にチャンスを逃してきただけに、その部分を克服できるかが問題。王鵬は番付は一番下だが、精神的には3人の中で一番いい状態で臨めそうなところに期待ができ、それぞれ一長一短だ。
 
とはいえ泣いても笑ってもあと3日。まずは明日が第1幕。そして千秋楽にもつれ込む可能性が高い優勝決定と、まだまだ見せ場が待っていそうだ。

文=藤本泰祐

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事

RELATED関連する記事