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2022-11-29

プレデビュー戦前夜の“事件”をKENTAが告白「先輩の悪ふざけとはいえ、あの日は丸藤正道さんのことを本当に恨んだ」【週刊プロレス】

プレデビュー戦で丸藤正道に恨みをぶつけていくKENTA

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NOAH11・23代々木大会で丸藤正道が6人タッグマッチながらGHCタッグ王者の杉浦貴に直接勝利。試合後に杉浦&小島聡の持つGHCタッグ王座への挑戦を表明した。

パートナーはまさかのKENTA。丸藤&KENTA組は2003年7月に初代GHCジュニアヘビー級タッグ王者となり、2005年6月までV9に成功。同連続防衛記録は現在も破られていない。

2人は“イケメンタッグ”として抜群の女性人気を博し、その後のライバル物語も含めてNOAH隆盛の一因になるほどいち時代を築いた。

そんな伝説とも言える丸藤&KENTA組が2014年5月のKENTAのNOAH所属ラストマッチ以来8年8カ月ぶりに実現。NOAH1・1日本武道館でGHCタッグ王座に挑戦する。

この一戦について丸藤は「見ました、アイツの自伝? なんだっけ? アイツの自伝の題名。みんなニュージャパンの人たちは『足↑跡↓』って言うでしょ? オレも持ってるんだよ、あれ。ひどいことばっか書きやがって、アイツ。まあ、プライベートではそんな仲良くなかったんで」ともコメント。確かに今年7月に発売されたKENTA自伝「足跡」には丸藤とのエピソードがふんだんに盛り込まれている。

その中から2000年3月11日、全日本プロレス後楽園ホール大会のバトルロイヤルにおけるKENTA(当時のリングネームは小林健太)プレデビュー戦前日の“事件”を紹介。

「前夜に合宿所で起こった出来事は忘れたくても忘れられない。志賀(賢太郎)さんから譲り受けたコスチュームと三沢(光晴)さんに買ってもらったリングシューズを身につけて、観客の前に出ることを考えただけでも気を引き締める思いだった。

先輩たちから『ひとまず着てみろ』と言われて、コスチューム姿になってみる。そうしたら、丸藤さんに外へ追い出され、合宿所のカギを閉められてしまった。3月上旬の夜なので裸同然の格好では寒さが身にしみて、震えが止まらない。

オレは『寒いっす! 寒いっす!!』と叫びながら玄関の扉を叩いた。合宿所の中から聞こえるのは丸藤さんの悪魔のような笑い声。カギを開ける気配は一切ない。オレは道場の方にも入り口があることを思い出して、そこに向かって走った。

同時に合宿所の中でも誰かが同じ方向へと走っているようだった。合宿所トイレ電話事件や札幌パスポート事件でお馴染みの丸藤さ…いや、悪魔だ。

3月上旬の寒空でしばらく心身を強制的に冷やされたオレは、翌日のプレデビュー戦をちょっと風邪気味で臨まざるを得なかった。先輩の悪ふざけとはいえ、あの日は丸藤さんのことを本当に恨んだ。

(中略)

今振り返ってみると、オレは逆境があった方が燃えるタイプだ。デビュー前からすでに丸藤さんへの反骨心がエネルギーだった。志賀さん、金丸(義信)さん、森嶋(猛)さん、橋(誠)さんなど優しい先輩だけだったら、ある程度しかがんばれなかったかもしれない。そういう意味では、天才肌で何かと鼻につく丸藤さんが直近の先輩だったことがプロレスラー・KENTAを生み出してくれたと言っても過言ではない」

KENTAは反骨心でトップまで駆け上がったプロレスラー。1年先輩の丸藤に対するそれがデビュー前から原動力だったようだ。

タッグとしても、ライバルとしても、いち時代を築いた丸藤&KENTA。丸藤はKENTA退団後のNOAHを象徴として守り続けてきた。一方のKENTAはWWE、新日本プロレスで活躍。それぞれ円熟味を増した現在、NOAH1・1日本武道館のGHCタッグ選手権で果たしてどんなファイトを見せるのか。

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