11日、東京・後楽園ホールで行われた東洋太平洋ミドル級王座決定戦12回戦は、同級2位の細川チャーリー忍(金子)が7位の太尊康輝(角海老宝石)に8回1分21秒TKO勝ちし、2度目の王座獲得を果たした。
写真上=8回、チャーリーの連打でついに試合はストップされた
大きく腫れた目を冷やしてもらいながら取材に応える太尊
「初めて勝負に行かせてもらえて、幸せです」
変わり果てた顔に悔しさを包み隠して、太尊はセコンド、そしてジムへの感謝を述べた。3回にバッティングで右目上をカット、その右目がチャーリーのパンチで腫れ、回を重ねるごとに膨張していった。開始ゴングを前に、もう一発もらったら止める、とレフェリーに宣告されて迎えた8回。太尊は残る力を振り絞って攻めたが倒せず、逆にチャーリーの反撃を受け、ストップ。精根尽き果て、その場に倒れ込んだ。
3ヵ月前のドローを受けた再戦。前回は攻めるチャーリーと大きく距離を取る太尊が最後まで噛み合わなかったが、今回は太尊がボディ攻撃を徹底。積極性を増してチャーリーのラフなプレスと渡り合った。激しい流血と腫れに見舞われながらも、4回には左ボディでチャーリーに明らかなダメージを与えたかに見えた。
ところがチャーリーに言わせれば「今までボディで効いたことなんてない」。このタフネスと「常にKOしか考えていない」というパワフルな連打で、チャーリーは手負いの太尊をぐいぐいと追い詰めていった。
王座復帰を喜ぶチャーリーと金子健太郎会長
チャーリーには早くも来年1月19日、日本王者の竹迫司登(ワールドスポーツ)の挑戦を受けるプランが敷かれている。一方、敗れたとはいえ太尊も、ストップまでの採点は接近。その素質と強打は、まだまだミドル級で魅力的な存在だ。
文◎藤木邦昭
写真◎小河原友信
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