12月25日、京都の都大路を高校生たちが駆け抜ける。2年連続で高校最高記録が誕生している男子は、今年も白熱したレースで4年連続の2時間1分台での決着が予想される。県・地区大会共に最速の倉敷高(岡山)、吉岡大翔(3年)ら実力者を多数擁する佐久長聖高(長野)、5000mで高校歴代6位を持つ長嶋幸宝(3年)率いる西脇工高(兵庫)ら注目校が火花を散らす。前回覇者の世羅高(広島)、2年連続高校最高記録を更新している洛南高(京都)にも注目だ。
倉敷が4年ぶりの優勝を狙う都道府県大会と地区大会では、2時間3分台が合わせて5校。都大路では全体的に記録が上がることから、至近3大会と同様に2時間1分台の優勝争いが予想される。
まずは都道府県大会、地区大会を通じて最速の倉敷高(岡山)を挙げたい。県大会では、2時間03分14秒のコース新記録で駆け抜けた。8月の徳島インターハイ5000mで2位のイマヌエル・キプチルチル、8位の南坂柚汰(共に3年)を軸に、桑田駿介ら2年生も成長。前回1区4位の南坂は、今大会も1区が濃厚だ。前半で流れに乗り、2016年、18年に続く4年ぶり3回目の優勝に向かって突き進むか。
メダル争いは混戦になりそうだが、なかでも佐久長聖高(長野)が楽しみだ。11月に5000mで13分22秒99の驚異的な高校記録を樹立した吉岡大翔(3年)を擁し、インターハイ1500m2位の松尾悠登(3年)、3000mSC2位の永原颯磨(2年)、10月の栃木国体で少年B3000m2位の濵口大和(1年)、13分57秒79を持つ山口竣平(2年)ら実力者がそろう。吉岡を最長区間の1区に起用か、留学生と対戦する3区で勝負に出るか、高見澤勝監督の戦略が注目される。
兵庫県大会で2時間03分31秒のコース新記録を出した西脇工高は、高校歴代6位の13分37秒46を持つ長嶋幸宝、14分04秒44の新妻玲旺、14分05秒50の稲見峻(以上3年)らで、2位に入った12年以来、10年ぶりのメダル獲得を狙う。
前回3位の仙台育英高(宮城)は、県大会で2時間03分54秒。13分37秒49を持つボニフェス・ムテチ(3年)、インターハイの5000mで決勝に進んだ後村光星(3年)をはじめ、分厚い選手層のなかから選び抜かれた精鋭で、4年連続のメダルに挑む。
優勝候補の倉敷高をはじめ、全国の強豪校が頂点を狙う(写真/BBM)世羅高と洛南高は意地を見せるか前回は、世羅高(広島)が15年に樹立した高校国内国際最高記録に3秒と迫る2時間01分21秒で、歴代最多11回目の優勝。2位の洛南高(京都)は、日本人選手のみで2時間01分59秒の高校最高をマークした。両校とも今年は府県大会、地区大会で2時間7分台にとどまっているが、全国に合わせてくるだろう。
世羅高は村上響、中村海斗、小島悠生、石堂壮真(以上3年)と、優勝経験者4人が残っている。これまでも本番で勝負強さを示してきただけに、名門の意地を見せたいところ。洛南高は13分57秒02の柴田大地(3年)、14分00秒57の岡田開成(2年)を中心に層が厚く、3年連続のメダルを目標に掲げている。
千葉県大会で2時間04分57秒のコース新記録を出した八千代松陰高は、4年ぶりの入賞が有力。関東大会は下級生のみのメンバーで、2時間03分41秒をマークして2位に入った。インターハイ5000mで7位の綾一輝、10位の工藤慎作(共に3年)、1500m7位の小河原陽琉(2年)ら、前回11位のメンバーが6人残っている。加えて、国体少年B3000mを高1歴代最高の8分01秒26で制した、鈴木琉胤(1年)の都大路デビューに注目が集まる。
2時間03分36秒で関東大会1位の埼玉栄高(埼玉)も、4年ぶりの入賞を目指す。国体少年A5000m4位の小山翔也、インターハイ3000mSC6位の本間颯(共に3年)をはじめ、充実の布陣だ。
前回8位の学法石川高(福島)、2年生中心の東農大二高(群馬)、最多58回目の出場となる小林高(宮崎)なども入賞争いに絡むか。
前回1、2位の世羅高、洛南高ら入賞候補にも有力選手が集う(写真/BBM)