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2022-12-21

【高校駅伝】仙台育英高の高校最速ランナー・杉森心音が悲願の都大路連覇へ「万全の状態で2連覇を達成したい」

2年連続2区の杉森。前回は区間賞を獲得し、優勝に大きく貢献した(写真/田中慎一郎)

12月25日、京都の都大路を高校生たちが駆け抜ける。女子は、1年時2区7位、前回は同じ2区で区間賞を獲得している杉森心音(仙台育英高3年・宮城)に注目だ。トラックでの活躍はもちろん、宮城県大会では1区で区間賞を獲得している。都大路連覇を目指し、エースの力走に期待が懸かる。


最速ランナーが流れをつくる

2年連続6度目の頂点に挑む仙台育英高(宮城)のエースは、主将でもある杉森心音(3年)だ。8月の徳島インターハイでは3000mで5位(日本人選手2位)に入賞、3000mと5000mで現役日本人高校生トップの自己記録を持っている。

10月の宮城県高校駅伝では1区で19分09秒をマークして区間賞を獲得したが、目標の18分台に届かず、「チームを引っ張る立場として、自分がもっと頑張っていれば……」と悔しがった。それでも、「(メンバー外で)出場できなかった選手の思いも背負って走りました」と、主将としての責任感を発揮。レース後には主要区間を担った2人の1年生を称えるなど、チームメイトを労う姿が印象的だった。

1・2年時の都大路では、いずれも2区を務めた。1年時はシンスプリントで満足に練習を積めず、12月から急ピッチで合わせて区間7位。2年時には1区か5区を希望していたが、チームの戦略で2区に起用された。釜石慶太先生からその意図を聞かされ、「先生の作戦どおりの走りをしたいと思ったし、2区で前回のリベンジをしたい気持ちもありました」と力走。同区の日本人最高記録に6秒と迫る12分41秒で区間賞を獲得し、チームの優勝に貢献した。

 今大会では1区出走が濃厚だ。今季は安定した走りができるようになったといい、区間上位が期待される。

万全を期して、悲願の連覇へ

杉森には、負けられないライバルがいる。同じ静岡県出身の細谷愛子(立命館宇治高3年・京都)だ。小学6年生で出会い、中学時代には大会の時に手紙を渡したり、休日を一緒に過ごしたり。互いを認め、高め合ってきたライバルであると同時に、親友でもある。都大路では1勝1敗で、最後の全国高校駅伝でも同区間で対戦となるのか、注目される。

北浜中3年時の2019年に、1500mで全国制覇を果たした杉森。同じ中学の1つ先輩だった米澤奈々香(現・名城大1年)の後を追って、仙台育英高に越境入学した。今季はその米澤から主将の重責を引き継ぐことになったが、「心音ちゃんなら大丈夫」と米澤に励まされ、下級生が多いチームをまとめ上げた。

仙台育英高は17年からの5大会で優勝、3位、優勝、3位、優勝と推移しており、1993・94年以来2度目の連覇は釜石先生と部員21人の悲願でもある。

「1年生のときは自分がケガをしてしまったので、今回は気を緩めず、万全の状態で2連覇を達成したい」

杉森の言葉からは、強い決意が感じられた。


宮城県大会では、全区間区間賞で連覇に挑む都大路の切符を手にした仙台育英高。杉森(左)は1区を担った(写真/椛本結城)

すぎもり・ここね◎2004年11月19日生まれ。北浜中(静岡)→仙台育英高(宮城)。1年時から2年連続で2区を担っている。昨年は区間賞を獲得し、優勝に貢献した。8月の徳島インターハイでは3000mで5位(日本人選手2位)入賞、3000mと5000mで現役日本人高校生トップの自己記録を持つ。自己ベストは、1500m4分20秒82(2020年)、3000m9分00秒75(21年)、5000m15分34秒54(22年)。

文/石井安里 写真/田中慎一郎、椛本結城

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