元WBCフェザー級、WBAスーパーフェザー級、WBC&WBAライト級王者ホルヘ・リナレス(34歳=帝拳)が7日、東京・後楽園ホールのリングに登場。フィリピン・スーパーフェザー級5位のアル・トヨゴン(21歳)に99対90、100対90、100対89の大差3-0判定勝利した。リナレスが日本国内で戦うのは2013年11月以来。同会場での試合となると、最初の世界王座を獲得する前哨戦(2007年2月)以来となる。
上写真=タフなトヨゴンに強烈な右を見舞うリナレス
メインイベントに日本タイトルマッチが組み込まれていたが、久しぶりのリナレス登場に期待を寄せたファンが大勢駆けつけたのも間違いない。
17歳で来日し、日本でプロデビュー。そして大きく育って世界へと羽ばたいていったリナレスは依然、国内でも大きな人気を得たままだ。その証拠に、ジャブ1発、コンビネーションをワンセット放つたびに、場内の観客は大きくどよめいた。
立ち上がりから、得意の左ボディブローはグサリぐさりと突き刺さる。しかし、予想外だったのはトヨゴンの異常なまでのタフネスと体の強さ。リナレスのパンチを受けながらも、必ずリターンブローを返し、4回には左フックで3階級王者をよろめかせもした。
続く5回にジャブから距離を築き、リズムを取り戻したところはさすがだったが、距離を潰し、頭から入ってスイングを叩きつけるトヨゴンに手を焼いたのも事実だった(トヨゴンは5回にヘッドバッティングで減点1)。
「相手の頭、汚いね。途中、アウトボクシングをやったけど、私の悪いボクシングも出た。フルラウンドやって、スタミナ見せれたのはよかった」。
今年1月、伏兵パブロ・セサール・カノ(メキシコ)に初回TKO負けを喫した試合からの復帰戦でもあり、ひとまず勝利できたことは喜ぶべきだろう。
「私、まだまだ元気いっぱいある。年末にも試合したい。(本田明彦)会長と話したい」。51戦(46勝28KO5敗)も戦い、すっかりベテランの域に入ったリナレスだが、この先のターゲットはもちろん、昨年5月に敗れているWBAスーパー・WBO・WBC世界ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)だ。
文_本間 暁
写真_小河原友信
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