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2022-12-27

【しゅりんぷ池田のカード春秋】FUSIONカードで2022年を振り返る

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シーズン中に何かしらの記録をつくった現役プレーヤーと
同種の記録を持つOBを併せてカード化する『FUSION』シリーズで、
2022年のプロ野球を振り返ってみましょう。


 2022年も「そんな記録があったのか!」と驚く珍記録が続出しました。まず、開幕戦で大勢が1982年の山沖之彦以来となる「新人投手の開幕戦セーブ」という記録をつくりました。74年にNPBにセーブ制度が導入されてから50年近い歴史の中で、この2人のみの記録なのです。山沖の場合、「適当な投手がいなかったので新人に投げさせたら、うまくいった」という偶然性が感じられますが、抑え投手が固定されている現在では、大勢に続く投手はなかなか出なさそうです。

No.05 大勢(巨)
No.05 大勢(巨)

 4月10日に佐々木朗希が達成した完全試合は22年の記録の白眉と言えますが、この試合でバッテリーを組んでいた松川虎生もプロ野球記録を樹立していたのです。それは「捕手ゲーム守備機会20」というもの。佐々木朗の19奪三振と捕邪飛1の併せて20回の守備機会で、過去5例あった守備機会19の記録を更新したのです。この日の試合でマークした佐々木朗の「1試合19奪三振」は95年4月の野田浩司の記録に並ぶものでしたが、同戦で捕手を務めた中嶋聡が、その19奪三振を受け止め守備機会19をマークしていたのでした。

No.16 佐々木朗希(ロ)
No.16 佐々木朗希(ロ)

No.20 松川虎生(ロ)
No.20 松川虎生(ロ)

No.21 中嶋 聡(オ)
No.21 中嶋 聡(オ)


 その佐々木朗は次戦でも8回までパーフェクトを続けましたが、この試合は万波中正のソロ弾のみで日本ハムが勝利。実はこの「ソロ本塁打の1安打のみで1対0で勝利」というのは史上10例目で完全試合(過去16例)よりもレアな記録だったのです。

No.22 万波中正(日)
No.22 万波中正(日)

 また、5月28日の渡邉陸の「初先発試合でプロ1、2号を連発」というのはホークスの選手では71年の島本講平以来でした。70年春のセンバツの優勝投手として人気を誇った島本が2本塁打を放った相手が“コーちゃん1号”太田幸司だったというのも奇遇です。

No.45 島本講平(南)
No.45 島本講平(南)

 6月12日に辰巳涼介が「1イニング2本塁打」という快挙もありましたが、これは史上21人目、23度目の記録。ということは、この記録を2度マークした選手が2人いるわけです。1人は大島康徳で、もう1人は山崎裕之なのです。本塁打王経験もある大島は納得ですが、中距離打者の山崎は意外ですね。しかし、辰巳はと言うと21年が11本、22 年が10本ですから、山崎以上に意外な達成となりました。

No.58 辰己涼介(楽)
No.58 辰己涼介(楽)

 9月10 日には上本崇司が「プロ10年目で初本塁打」を放ちました。このカウンターパートとしてカード化されているのは球団OBの井生崇光で、こちらは「プロ13年目で初本塁打」でした。これは野手では史上2番目に遅い記録で、もっとも遅いのは石山一秀の14年目。「野手」という限定が付いているのは投手の工藤公康が23年目に初本塁打を放っていたからなのです。

No.90 上本崇司(広)
No.90 上本崇司(広)

 23年シーズンはどんな記録が生まれるでしょうか。今から楽しみですね。
(週刊ベースボール2023年1月9日&16日号 掲載記事再編)

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