アメリカンフットボールの華、カレッジフットボールの全米王座を決める、4強による「カレッジ・フットボール・プレーオフ(CFP)」セミファイナル(準決勝)は、現地12月31日(日本時間1月1日)に全米の2カ所で行われ、全米ランク1位のジョージア大学と同3位のテキサスクリスチャン大学(TCU)が、共に接戦を制して勝ち上がった。
両校は1月9日に、カリフォルニア州イングルウッドのSoFi スタジアムで行われるCFP決勝戦に進出、全米王座をかけて対戦するする。
TCUは、同2位のミシガン大学と「フィエスタボウル」で対戦し、ミシガン大のミスに付け込んで前半から加点。ミシガン大の後半の追い上げをかわした。
CFP準決勝 フィエスタボウル[2022年12月31日アリゾナ ステートファームスタジアム]全米3位 テキサスクリスチャン大学ホーンドフロッグス(Big12、13勝1敗) ○51vs45● 全米2位 ミシガン大学ウルバリンズ(Big10、13勝1敗) ミシガン大は、1Q最初のドライブでゴール前まで攻め込み、4thダウンでもFG(フィールドゴール)を狙わずにオフェンスを継続。しかし、ここで繰り出したスペシャルプレーをTCUディフェンスに見破られて得点ならず。
次のオフェンスでは、ミシガン大QBのJ.J.マッカーシーがインターセプトリターンTD「ピック6」を許して先制された。
2Qにはゴール前1ヤードからのランプレーでファンブル。ボールをエンドゾーンでリカバーされて、TD(タッチダウン)を奪えなかった。そして、3-21で後半へ折り返した。
3Qに2TDを奪って1時は6点差に追い上げたが、TDで差を広げられた後、QBマッカーシーがこの日2本目の「ピック6」を喫して16-34と突き放された。
それでも執念の追い上げを見せるミシガンは、4Qに38-41と3点差に迫った。
しかし、TCUが自陣の3rdダウンで、ミシガン大はCBブリッツを仕掛けてQBマックス・ダガンに見破られ、ブリッツの入った位置に走り込んだWRクエンティン・ジョンストンにパスをキャッチされて独走、76ヤードのTDを奪われた。
その後もミシガンオフェンスは反撃したが、点差は埋まらなかった。
TCUがスコア以上の完勝 試合前、全米のメディアがミシガン大の有利を予想していたが、TCUが見事に覆した。TCUはOL、DL共に低く強い当たりで、カレッジ屈指と前評判だったミシガンのラインと互角以上に戦った。
特に、ピック6を決めたLBディー・ウィンタースやDLディラン・ホートンに率いられたディフェンス陣が、速い出足でペネトレートを重ね、ミシガン大のオフェンスを得意な形に持ち込ませなかった
ミシガンのRBドノバン・エドワーズにラン119ヤードを記録されたが、最初のプレーの54ヤードゲインを除けば試合を通じて65ヤードに封じこんだ。
そしてTCUが、終始リードを保って、ミシガン大に、本来は不得手なパスによるキャッチアップオフェンスを強いた。
就任1年目のソニー・ダイクスHCが思い描いた通りのゲームプランで、スコア以上にTCUの完勝だった。
ミシガン大は、ターンオーバーのうち3回が得点に直結、差し引き21点を失った形となった。しかも、ジム・ハーボウHCがオフェンス・ディフェンスの勝負所で仕掛けたプレーを、何度も失敗、自滅と言ってもいい大敗だった。