close

2023-01-09

【相撲編集部が選ぶ初場所2日目の一番】今場所も混戦必至? 貴景勝、翔猿に翻弄され2日目に土

貴景勝は翔猿の速い引き足に翻弄され、早くも土。今場所も混戦の雰囲気が漂ってきた

全ての画像を見る
翔猿(叩き込み)貴景勝

今場所もまた、荒れる場所になりそうだ。
 
出場力士中、番付最上位であり、ただ一人の大関である貴景勝に、早くも土がついた。
 
この日は動きの速い翔猿との一番。立ち合いは悪くなかったが、少し押し合ったあと、速い引き足で左へ左へと回られ、ついていくことができず、最後は叩き込まれた。
 
貴景勝は突き押しが得意な力士なので、普通に考えれば離れての相撲なら自分のペースなのでは? と見えるかもしれないが、貴景勝の突き押しは、突き合いの途中でも一度頭で当たって接近し、そこから押したり突いたりしていくタイプ。この日の途中からの流れのように、相手との距離が離れっ放しになってしまっては、その威力が繰り出せない。

初日の取組後には「見に来てよかったなと思ってもらえるような相撲を目指したい。目の前の一番に集中してやるしかない」と語っていた貴景勝だが、この日は「考えすぎず、思い切り攻めていこうと思っていた」という翔猿の思い切りのいい動きに翻弄される結果となった。
 
先場所、優勝同点で決定戦に出たことから、場所後の横審の際に「初場所好成績で優勝すれば(横綱昇進の)内規に該当する」という話も出ていた貴景勝だが、この1敗で、とりあえずその話は、このあとよほど勝ち込んでくるまではしばらく横に置いておく感じになってしまうか。
 
この日は、初日を好発進した若隆景も御嶽海に右差し手から起こす得意の相撲を許して土。上位陣の主だったところでは、連勝は関脇豊昇龍(琴ノ若に組まれながらも下手から投げ捨てる)、平幕で大栄翔(この日も前に出て、髙安、正代と元大関を連破)、御嶽海(若隆景を倒し連勝)、阿炎(突っ張りで先手を取って若元春の逆襲しのぐ)、玉鷲(初日は霧馬山の攻めをしのぎ、この日は明生に圧勝)といった顔ぶれとなった。
 
明日3日目はこの中から豊昇龍と御嶽海が直接対決、残りの3人はここまでの内容はもちろんいいが、いずれも突き押しタイプの力士で、どこまで安定して星を重ねられるかは何とも言えない部分も。そう考えると、どうやらまた今場所も大混戦の様相になっていくことが濃厚になってきたと言える。
 
まあ、今場所はもともと出場者に大関以上が一人しかおらず、初めから関脇以下の優勝の可能性はけっこうな割合で存在する場所なので、どこからを「波乱だ」、「混戦だ」というべきなのかが、よく分からない場所でもあるのだが……。

文=藤本泰祐

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事