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2023-01-11

【相撲編集部が選ぶ初場所4日目の一番】ベテランのイナシにも崩れず。豊昇龍が4連勝と星を伸ばす

玉鷲のイナシにも崩れず、モロ差しから寄り切り4連勝の豊昇龍。初優勝へ、また一つ関門を突破した

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豊昇龍(寄り切り)玉鷲

今日も強かった。
 
豊昇龍が、また一つ壁を超えた。ベテランの玉鷲との3連勝同士の対決を制し、全勝をキープ、連勝を4と伸ばした。
 
この日も迷いのない立ち合いで、昨日と同様、低く鋭く踏み込んだ。玉鷲も頭で当たると右で突きを繰り出し、すかさず右に回ってのイナシを見せる。豊昇龍は一瞬、前につんのめりそうになったが、それでもすぐに左足を送り、下半身は崩れない。そしてすごかったのはそのあとの反応だ。玉鷲は体勢の揺らいだ豊昇龍を起こしにいったが、体が離れた分、少し間合いができてしまった。豊昇龍はすかさず下から入って左差し、右も廻しを探って手を掛け、モロ差しで一気に出て、正面土俵に寄り切った。

「集中して自分の相撲を取り切ったのかなと思います。動きもいいし、前にも出ているんで、この気持ちで最後まで頑張りたいと思います」と豊昇龍。結果的には、イナシの直後、上体がやや立った玉鷲に対し、低くなった体勢を逆に生かした形になった。下半身の安定と反応の素早さで、技を掛けられたピンチをチャンスに変えてしまうのだから、今場所の豊昇龍は本物、という感がさらに深まる1勝だった。

この日は玉鷲の攻撃をうまくしのいだ形で勝ちを手にした豊昇龍だが、やはり相手の勢いをかわそうとするのでなく、立ち合い、正面から鋭く踏み込んだことで攻めをしのげる余裕を作れたことは大きい。この対玉鷲をはじめ、押し、突っ張りで来る力士には比較的対戦成績はいい豊昇龍だが、今後、初優勝に向けて星を重ねて行くうえでは、突き押しの相手に対して恐れずぶつかっていける精神状態を保てるかどうかは大きなカギ。大栄翔、阿炎といったあたりが上位で好成績を挙げていることを考えると(もちろん対貴景勝戦を含め)、そういう意味でもこの日の1勝は大きいといえよう。

4日目を終え、全勝は豊昇龍に加えて阿炎、阿武咲、碧山、琴勝峰と5人。中では阿炎、阿武咲の相撲内容が抜群で、阿武咲あたりに、このところ毎場所出ている下位のダークホース的存在になりそうな香りが漂う。過去に下位で二ケタ勝利を何度も挙げている碧山も不気味な存在。

この日のそのほかの結果では、正代が阿炎に一方的に突き出されて3敗目。今場所後の大関復帰には残り9勝2敗が必要で、早くもかなり厳しい状況になってきた。

文=藤本泰祐

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