close

2023-01-16

【アメフト】富士フイルムが、海老名市、商工会議所と包括連携協定、チーム名は「富士フイルム海老名ミネルヴァ」に

包括連携協定を結んだ(左から)富士フイルム海老名ミネルヴァの石井代表理事、内野・海老名市長、三田・海老名商工会議所会頭=撮影:小座野容斉

全ての画像を見る
アメリカンフットボールのXリーグ「X1 エリア」に所属する、富士フイルムミネルヴァAFCは、1月16日、神奈川県の海老名市、海老名商工会議所と、「包括連携に関する協定」を締結した。
 チームを運営する一般社団法人海老名Minerva AFCの石井明代表理事と、内野優・海老名市長、三田佳美・海老名商工会議所会頭が、同市役所で調印した。
 これに伴い、ミネルヴァAFCは、チームの正式名称を、「富士フイルム海老名ミネルヴァAFC」と変更することになった。
 今回の協定は、3者が、スポーツを通じた地域振興を始め、青少年の健全な育成や市民の健康増進、地域経済の発展等を実現することを目的として、さまざまな分野で総合的に連携・協力していくもの。
 チームと自治体の連携協定は過去にも事例はあるが、地域の経済団体である商工会議所も加えた3者間の協定は珍しい。

 内野市長は、「アメリカンフットボールは、これまであまりなじみがなかったが、海老名を本拠に、将来は日本一を目指して欲しい」とあいさつ。そして、スポーツを通じて、3者で幅広く協力して、海老名市を盛り上げてくれるよう求めた。

 石井代表理事は「海老名市をホームタウンとして、地域に根ざし市民に愛されるチームを目指して活動していく」と抱負を語った。同席した朝倉孝雄HC(ヘッドコーチ)は、「チームを強化して、期待に沿えるよう頑張りたい。3年お待ちください」と決意表明した。

 富士フイルム海老名ミネルヴァAFCは、5月には海老名運動公園陸上競技場で、ホームゲームを開催する予定という。それだけでなく、今後はフラッグフットボールやチアリーディングを通じて、地域や子どものスポーツ活動に積極的に取り組んでいく方針だ。

 富士フイルムは、2022年シーズンは5勝2敗でX1エリアで3位。朝倉HC2年目の来季は、トップリーグX1スーパー昇格を目指している。

「富士フイルム海老名ミネルヴァAFC」に改称。今季は5勝2敗、もう少しで入替戦だった=撮影:小座野容斉

「自分たちが何ができるか」地域に必要な存在へ脱皮を

 Xリーグは、練習場を本拠地として、地元の自治体と協力関係を強めるチームが増えている。
 X2の茨城セイバーズは、茨城県の鉾田市、行方市の2市をホームとして地域に根差した活動を強化している。
 ディアーズフットボールクラブは、昨年シーズン前に運営母体が新しくなり、新潟県胎内市の名前を冠して、地元との関係を深めている。
 また2022年シーズンは、X2ブルーサンダースの練習グラウンドのある千葉県市川市の田中甲市長が、2度ゲーム観戦に訪れ、コイントスも行った。自治体との関係ではパイオニアであるオービック シーガルズは、地元習志野市の宮本泰介市長が、今季、大阪まで試合観戦に訪れた。ノジマ相模原ライズもホームの相模原市での試合開催を続けている。

 日本の社会人アメフトは、1980年代のいわゆるバブル経済期にチームが増え、その後、Xリーグの創設にもつながった。しかし現下の経済状況では、企業からかってのような経済的・金銭的支援を得るのは難しい。自治体と提携したからと言って、それによって活動費用が得られるわけではない。
 地域とのつながりを大事にして、町おこしや、地域のスポーツ活動に積極的に関わっていく。アメフトをプレーするだけでなく、自分たちが何ができるかを周囲に訴えていく。地域から親しまれ、無くてはならない存在となっていくことが、勝敗や、競技結果に劣らず大切になってきている。

包括連携協定を結び、記念撮影する関係者。中央は内野・海老名市長=撮影:小座野容斉

【小座野容斉】

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事