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2023-01-18

史上最狂の一騎討ち…タイガー・ジェット・シンvs上田馬之助にアントニオ猪木レフェリー! 新日本プロレス歴史街道50年(61)【週刊プロレス】

タイガー・ジェット・シンvs上田馬之助戦を裁くアントニオ猪木レフェリー

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アントニオ猪木が特別レフェリーを務めた試合といえば、真っ先に思い浮かぶのが1978年9月19日、大阪府立体育会館でのタイガー・ジェット・シンvs上田馬之助。9500人と発表されるほど、会場は超満員のファンで膨れ上がった。

当時、大阪を担当していた営業も「招待券をまくことなく、本当の意味で初めて府立が札止めになったのはシンvs上田だった」と振り返ったほどで、実際それまでの新日本プロレスの大阪大会で、いや、現在に至るまで破られない大阪府立の記録ともいえる大入りだった。

      ◇     ◇     ◇

史上最狂の一騎打ちが実現した直接の原因は仲間割れだが、シリーズ開幕前に上田馬之助がロスで海外遠征中に木村健吾(当時、現地でのリングネームはパク・チュー)とタッグを組んだことから亀裂が生じた。というより、「若手とはいえ敵の陣営と組むとはどういうことか?」。また同時期に上田がジャイアント馬場にも挑戦状を送っていることから、タッグを解消して全日本プロレス参戦を画策しているのではないかと、シンが疑心暗鬼になったといった方が適切か。

新日本も配慮してシリーズ開幕戦(同年8月25日、長岡厚生会館)以降はタッグを組ませなかった。上田は誤解を解こうとするもシンが話し合いに応じず。同年9月1日の会津大会でジンバ・カーンを含めた6人タッグでついに亀裂が表面化。急きょ、大阪府立で一騎打ちが決定された。

しかし今度は、ミスター高橋が裁き切れないとレフェリングを躊躇。猪木が買って出る形で特別レフェリーとしてリングに立つことになった(高橋はサブレフェリーに)。ちなみに猪木はこの日、試合には出場していない。

試合は序盤からシンが飛ばして上田を攻め込む。しかしロープブレークを無視しての反則攻撃を続けるなどで、猪木レフェリーからパンチ、ストンピングを浴びる。それに乗じて上田が反撃に転じるが、こちらも反則主体で攻め込むため猪木レフェリーが実力行使で両者を分ける。

互いに技らしい技を出すことなく、終始、殴って蹴って首を絞めてという展開。最後はシンが猪木レフェリーに攻撃を仕掛けている上田をサーベルで殴りつけたのを機に、リング下にいた坂口征二、控室から藤波辰巳(現・藤波辰爾)もリングに飛び込んできて収拾がつかなくなり、サブレフェリーの高橋によってシンの反則負けが宣せられた。

クリーンファイトをとまではいかないが、猪木レフェリーが厳しく反則をチェックしたため両者が迫力を欠いた感は否めない。結局、猪木が参議院議員となってセミリタイア状態になるまで、メインイベントを裁いたのはこの1試合だけだった。(この項、つづく)

橋爪哲也

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週刊プロレスNo.2226 (2023年2月1日号/1月18日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

今週号の表紙はスターダムで開催中の6人タッグリーグ戦「トライアングルダービー」でスターダムに新風を吹かせている“Club Venus”白川未奈&ザイヤ・ブルックサイド&マライア・メイです。リーグ戦序盤の大阪2連戦の模様を巻頭からリポートするほか、巻末言ではワールド王者・ジュリアにあらためてチャンピオンとしての決意を聞いてます。NOAHは富士大会の試合後におこなわれたサイン会にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンが5人揃って来場。横浜アリーナでシングル五番勝負の対抗戦を闘う金剛にサインをもらって記念撮影をおこなう挑発行為に出ました。新日本関連は昨年に続いてKOPW保持者となりIWGP世界王座次期挑戦者でもある鷹木信悟にインタビュー。年明けから大一番が続く状況へ抱負を語ります。ドラゴンゲートは今年最初の後楽園大会を2連戦で開催。ドリームゲート王座が吉岡からシュンに移動。ハイエンド解散など年明けから激動となった大会を詳報。本誌担当記者がこの一年の期待する選手を紹介する新春恒例企画「2023イチオシ選手!」。先週の男子に続いて今週は女子6団体+1ユニットからイチオシ選手を紹介します。そのほか全日本・保土ヶ谷、DDT新宿、大日本・日比谷、みちのく仙台&滝沢、JTO新宿、東京女子・大手町、仙女・仙台、プロミネンス新木場、シードリング新木場など掲載。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。通常3~5日でのお届けとなります。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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