1月22日に、東京・国立競技場で行われる、アメリカンフットボールの国際試合「ジャパン U.S. ドリームボウル 2023」で、米国のアイビー・リーグ選抜と戦う日本選抜「ジャパン・オールスター」。選ばれて、日本を背負う選手に思いを聞いた。
富士通(19人)、パナソニック(18人)、オービック(9人)と「XリーグBIG3」からのメンバーで3/4以上を占めた今回の日本選抜だが、IBMビッグブルーも5人を送り込んでいる。その中から、前回、2020年の日本代表主将を務めたWR近江克仁と、年齢制限のないJAPANには初選出となったQB政本悠紀は今回の戦いをどうとらえているのだろうか。
近江「3年間で海外を経験した選手が増えた」 まずは近江との一問一答。
――今回のJAPAN、そしてあなた自身の調子はどうですか。
◇近江
いい感じです。やっぱり代表メンバー集まって練習できるのは、貴重な経験ですし。緊張感をもって1プレー1プレーできているので。良い練習やったなと思いますね。
――前回は、日本で週末3回、渡米した後も日数があったりとかどんどん良いチームに仕上がっていった
◇近江
確かにそうですね。最後の1週間くらいで凄く一体感が出てきましたね。一緒にアメリカへ行くとか、あと時間も結構あったので。チームビルディングをして、ポジション関係なく、フットボールとは無関係の他愛のない話とかもしていたので。そういう時間は今回取れず、5日間の練習です。でもみんなの競技レベルが上がった状態で、集まれているとは思うので、良いチームになっています。
――前回は主将。その時の眼で見て、今回はどれくらいやれそうな感じがありますか
◇近江
この3年間で、自分も含めて、海外でのプレー経験をしたメンバーも増えていると思いますし、そういう選手たちがしっかり発信している。昨日も卓さん(RB李卓)がハドルでいろいろ話したりして。そういう人たちがしっかりと話すことによって、その人の言葉を周囲が信じることができる。説得力が増すということです。そういう選手がこの3年間で増えたというのが、良くなった点だと思います。
――個人としては、どんなプレーをしたいですか
◇近江
やっぱり「持っている男」だというのを見せたいです。試合で、1本でも2本でも、ちゃんとTD(タッチダウン)を取って。アイビー・リーグのCBやSに対して、全然マッチアップできる、圧倒できるという姿を見せたい。
――Xリーグのゲームでも、マンツーマンの米国人に対して自信を持っている
そうですね。Xリーグでもアメリカ人に対して全然負けていなかったので。行けると思います。頑張ります。
政本「オフェンス全員が同じページにいられるよう」 QB政本との一問一答は次の通り。
――代表レベルのチーム選出は、大学日本代表で経験した
◇政本
はい。2016年の大学世界選手権メキシコで大会があった時です。帰国して、そのまますぐにIBMの選手として、パールボウルの決勝にも出場しました。
――フル代表の経験はない
◇政本
TSLと戦った2020年の日本代表の時は、負傷でトライアウトを断念しました。前年秋のノジマ相模原ライズ戦での負傷が治っていませんでした。
――もし負傷が治っていたら出たかった
◇政本
出たかったですね。
――今回は
◇政本
直ぐにエントリーをしました。
――同じQBの高木選手は、JAPANへの熱い思いを常々語っていますが、政本選手はその辺はどうですか
◇政本
もちろん、日本を代表する選手として選ばれたいというのはあるのですが、他のチームのトップ選手と刺激を受け合うことができるというのが楽しみでした。自分が刺激を受けるし、また与えられるので。実際に練習でオフェンスをやってみて、プレーの考え方とか、雰囲気の作り方とか。すごく勉強になっています。楽しいです。
――クオーターは15分と、通常の日本でのゲームより長いので、出番は必ずあるでしょうが、どういうプレーを見せたいですか
◇政本
ディフェンスをリードしてのランパスオプションで、クイックスローでどんどん投げていきたいです。RPOは、IBMでもやっていいる得意なプレー。オフェンスをテンポよくドライブさせていきたい。またQBのランは、自分の持ち味の一つなので、そこはしっかり決めていきたい。
――学年でいうと高木選手とは、何年違うのですか
◇政本
翼さんが1学年上です。
――早稲田と慶応というライバル校で、JAPANの司令塔を務めるというのは
◇政本
そこはあまり意識していなかったですが、コミニュケーションを良く取って、僕らのお互いの持ち味を生かしながら、Same Page、アメフトでよく使う言葉なのですが、オフェンス全体が「同じページ」にいられるようにチームをまとめていきたい。
――当時から高木選手をどう見ていましたか
◇政本
僕が3年生の時に、早慶戦で、翼さんと投げ合って点の取り合いになって、結局負けた試合がありました。僕自身は大学の時は、型にはまっていて、オーディブルなどもしなかったので。翼さんは、その当時からリードしてプレーを全部決めたり。NFLでいえばペイトン・マニング的なところがあったし、翼さん自身がマニングを尊敬して、意識していたという記憶があります。
――今回同じオフェンスでプレーして見て、印象は変わりましたか
◇政本
イメージ通りですね。
――WR近江、鈴木隆貴、TEジョン・スタントンがメンバーにいて、丸ッとIBMでパスユニットが組めそうですが
◇政本
パスを見せたいですね。タイミングパスとか、レシーバーがタテを走って、マンツーマンカバーの抜き際で、バックショルダーパスを狙って決めたりとか、阿吽の呼吸でできていると思います。練習でも、ルートとかできちんと勝てているところがあったので。IBMユニットで出られるなら、お互いに自信をもって投げていきたいなと。
――IBMでは、4連勝のあと2連敗でシーズンが終わってしまって、残念なところもあったと思うのですが、シーズンの最後にこういう機会が得られたことについては
◇政本
シーズンが終わってしまった時に、この試合に向けて意識を切り替えました。ただ、先ほども話したように、他チームのトップレベルの選手からの刺激とか、QBコーチのグレッグさん(グレゴリー・ゴードン富士通コーチ)の教えが、2023年に生きると思いますし、翼さんの良いところも、ある意味「盗む」というか自分の伸びしろに加えていきたい。次のシーズンに向け、チームに持ち帰ることができるものがいっぱいあると思います。特にプレーリードの部分ですね。
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■名 称: JAPAN U.S. DREAM BOWL 2023 (日本語表記:国際親善試合ドリームボウル2023)
■対戦カード:Japan All-Star Team(全日本選抜 60 名(選抜54 名+学生6 名)) vs. Ivy League All-Star Team (アイビーリーグ選抜 51 名)
■試合形式: 1 Q 15 分の4 クオーター制/ NCAA ルール
■日 時: 2023 年 1 月22 日( 日) 13 時開始 (米国東部時間 1 月21 日 23 時)
チケットなどの詳細は、
Xリーグ公式サイト(https://xleague.jp/feature/dreambowl2023)まで