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2023-01-17

【アメフト】「日本は驚くべき進化を遂げた」アイビー選抜HCの名将バグノリ氏が警戒

会見終了後のフォトセッションで、握手を交わすパグノリ、山本両HC(中央)=撮影:小座野容斉

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1月22日に、東京・国立競技場で行われる、アメリカンフットボールの国際試合「ジャパン U.S. ドリームボウル 2023」に出場する、米国のアイビー・リーグ選抜チームが、1月17日午後、東京都内で記者会見した。アイビー選抜のアル・バグノリHC(ヘッドコーチ)は「日本のフットボールは、驚くべき進化を遂げている。この試合は我々にとってもチャレンジとなる」と語った。

 会見には、アイビー選抜からバグノリHCとOLジェイク・ギドン、LBスコット・バレンタスの二人の主将が出席した。対戦する日本選抜からは、山本洋HCと趙翔来主将が出席した。
会見するアイビー選抜のバグノリHC。「日本のフットボールは驚くべき進化を遂げた」と語った=撮影:小座野容斉
 バグノリHCは、ヘッドコーチ歴だけで41シーズンで、通算269勝という、アイビーリーグのみならず、FCSきっての名将。

 冒頭のあいさつでは「アイビー・リーグと日本のフットボールが出会った1990年代のエプソンIVYボウル以来の強い結びつきがあって、日本にまた戻ってくることができた。最初は私がペンシルバニア大学のコーチの時だった。米国内だけでなく、国際的にもフットボールを育てようとしていた」と自身と日本とのかかわりを回顧した。

 そして「その時を振り返ると、今の日本のフットボールは驚くべき進化を遂げ、まったく違うものとなった。このフットボールの再構築をしたすべての人、そのカルチャー、そして選手たちにおめでとうと言いたい。この地におけるフットボールの成長が、我々のリーグの関係強化を助けるものとなることを希望する」と語った。

 試合に対しては、「我々はこの場にいることに興奮して、名誉なことだと感じている。選手たちにとっても大きなチャレンジとなる。このような機会を与えてくれたことに、言葉では言い表せないほど感謝をしている」と話した。
会見するアイビー選抜のバグノリHCと、ギドン(中央)バレンタス(右)両キャプテン=撮影:小座野容斉
 アイビー・リーグのシーズンが終わってからほぼ2カ月たつが、「選手たちはニューヨークから長いフライトの後でも、コンディションがよくスムースな動きをしている。ここまで良い練習ができている。ゲームデーまではできることをやってしっかりと臨みたい」と語った。

 今回の日本選抜は、Xリーグでプレーする米国人プレーヤーも加わっており、アイビー・リーグよりも上位カテゴリーのFBSでプレーしていた選手も多い。それについては「彼らは本当に良い選手で、ESPN(で放送される)レベルの選手が多いと思う。彼らと戦うことは、我々にとっても大きなチャレンジだ。ただ我々のチームにも素晴らしい選手がたくさんいる。日本のオールスターも以前よりも大きく成長していて、そこに米国人選手が加わっている。どんな試合になるのか。非常に楽しみだ」と話した。

 会見終了後は、QB政本悠紀がモデルとなって、日本選抜のジャージーも披露された。

会見終了後のフォトセッションで、握手を交わすギドン、趙両キャプテン(中央)=撮影:小座野容斉
超名門校集うアイビー・リーグ NFL選手も多数輩出

 アイビー・リーグは日本でも名高い米国の名門私立大学によるリーグ。ハーバード大、プリンストン大、イェール大、コロンビア大、コーネル大、ダートマス大、ブラウン大、ペンシルベニア大の8大学からなる。米国のみならず世界レベルで見ても学業水準が極めて高い、名門校の集まりだ。

 フットボールでは、カレッジフットボールで上から2番目のFCS(フットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン)に属しているが、独立の気風を保ち、FCSの王者を決めるトーナメントなどにも参加しない。

 ただ、それは決してレベルが低いというわけではない。NFLでも、アイビー・リーグ出身選手は、多数いる。

NFLで2年連続タックル王のLBオルオクン(ジャガーズ)は、エール大学の出身だった=photo by Getty Images

エール大時代のフォイ・オルオクン(#23  現NFLジャガーズ)。大学時代は大型DBだった=photo by Getty Images
 現役では、なんといっても2021年192タックル、2022年184タックルと圧倒的なタックル数で、2年連続NFLのタックル王となったLBフォイ・オルオクン(2021年までファルコンズ、今季はジャガーズ)がエール大。49ersのFBカイル・ユースチェックがハーバード大。この2人は、NFLのプレーオフで、まだ勝ち残っている。

 昨年引退した「史上最高のジャーニーマンQB」ライアン・フィッツパトリック、かってバイキングスのOLを支えた名Cのマット・バークもハーバード大。通算44サックのDEマーセラス・ワイリーはコロンビア大。往年の名K(キッカー)ニックロウリーはダートマス大。カウボーイズHCとしても有名な元QB ジェイソン・ギャレットはプリンストン大からコロンビア大に転校した経歴を持つ。

 日本のXリーグでも、オービック シーガルズの黄金期のCフランク・フェルナンデス、富士通のRBジーノ・ゴードンはハーバード大OBだった。

【小座野容斉】

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