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2023-03-04

宇宙一カワイイアイドルレスラーとの抗争「中野たむは怒り、憎しみ、嫉妬…いろんな気持ちをぶつけてきてくれた」ジュリア物語5【週刊プロレス】

2020年7月のジュリアvs中野たむ

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現在ワールド・オブ・スターダム王者として女子プロレス界の頂点に君臨しているスターダムのジュリア。2017年10月29日、プロレスラーとしてデビューし、キャリア5年と少し。その時間はあまりに濃密であり、波乱万丈という言葉でも足りないほどさまざまな経験を積んできた。そんなジュリアのデビューから丸5年間の濃密過ぎる日々の記憶をB.B.MOOK「ジュリアお騒がせ症候群」のインタビューから抜粋してお届けしていく。第5回はアイスリボンからスターダムに電撃移籍してからの話。


――ドームのあとドンナ・デル・モンドができました。2020年1月なので参戦してすぐです。

ジュリア 舞華、朱里、ジュリアの3人で結成しました。一人でスターダムに乗り込んで自分がどこかのユニットに入る選択肢はなかったんです。でもスターダムはユニット闘争なので自分のチームを作る必要があって。まずはJUST TAP OUTに舞華をスカウトしに行って、朱里参戦の噂も聞いていたので入ってくれとお願いしました。あのとき叩かれていたジュリアに関わりたくないひとばかりだったけど、2人は快く了解してくれました。

――スターダムでの居場所を無理やりにでも作った形です。

ジュリア でもまだキャリア2年でした。ジュリアが作ったユニットだからジュリアが引っ張らないといけないけど、実際は足りてない部分がたくさんあって。でもそんなこと考える暇もないくらい、これで失敗したら終わりと常に思ってました。そのあと「シンデレラトーナメント」に優勝して、でもコロナが世の中に蔓延して興行ができない。その間にライバルになっていくであろう存在だった星輝。彼女の持ってる白いベルトも意識していたから優勝して彼女とベルトをかけてやりたかったけど、コロナの間に星輝は引退して。あのときは絶望的というか。スターダムでこれから…って時だったので。いまでもあのときそうなっていなかったら、どうなっていたんだろうなと思いますけど。

――ただ、誰かがいなくなると誰かが出てくるのがプロレス界です。

ジュリア そこで現れたのが中野たむでした。たむは星輝とタッグを組んでいて、ずっと前から白いベルトを狙っていて、そこに急にジュリアが現れた。すごい嫉妬心とかいろんなものをむき出しにしてきた。スターダムには心から闘えるひとがいるんだって。それもワクワクしたというか。ただ、中野たむとはすべて真逆でした。

――だからこそ熱くなれた?

ジュリア そうかもしれません。たむは怒り、憎しみ、嫉妬…いろんな気持ちをぶつけてきてくれた。コロナ禍で興行がないときもSNSを使って、ファンはそこに注目してくれた感じがして。興行再開のときも期待感はあったように感じました。

――再開は2020年6月でした。

ジュリア あのときはコロナとかいろいろあって、みんな気持ちが落ちてしまってたと思うんです。自分自身もそうでした。外から来たとんでもないジュリアかもしれないけど、プロレスでなにかパワーを与えなきゃいけないってすごく意識しました。ちょうどそのころひめかもDDMに入って、興行再開でまたひとつステージが上がったDDMを見せることができたと思う。いろいろあったけど仕切り直し、スターダムのジュリアのリスタートでした。

――興行再開後にすぐワンダー王座を奪取しました。

ジュリア たむに勝って白いベルトを取って、いろいろ防衛戦をやって最終的にはたむとの髪切りマッチまでいきましたけど。白いベルトを持っていた年(2020年)に女子プロレス大賞、週刊プロレス女子プロレスグランプリ、スターダムでもアワードでMVP。全部で5つの賞を総ナメさせてもらったけど、思ったのはあの移籍があったからこそ知名度が上がった。男子しか見てなくてもジュリアは「あのやらかした選手でしょ」って。移籍の追い風と中野たむってライバルがいたから、その年は結果を残すことができたと思います。

――移籍最初の一年は最初は向かい風でしたが、結果的に追い風に変えましたよね、自力で。

ジュリア そのとき思ったのはレスラーは相手あってこそ。一人じゃ絶対できないなって。
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