close

2023-05-17

ジュリア「お騒がせ症候群」出張版vol3~Sareee国内復帰とプロレスラーの強さ【週刊プロレス】

国内復帰を果たしたSareeeをジュリアが斬る

週刊プロレス本誌で好評連載中のジュリア「お騒がせ症候群」。出張版第3回は、5月16日に日本復帰戦をおこなったSareeeに関して。

昨今の女子プロレスを「キラキラかわいいばかり」「強くなくちゃダメ」と一刀両断する元WWEスーパースターに対して、ジュリアは「プロレスラーの強さ」に関して持論を展開。またSareeeとの対戦に興味を示したジュリアに対して、Sareeeもまた「逃げも隠れもしない」とアンサー。これに対してジュリアは…。

ということで「お騒がせ症候群」出張版、お届けします!
WWEを退団し、国内復帰を果たしたSareee
ジュリ番「『お騒がせ症候群』出張版第3弾です!」

ジュリア「毎回だなオイ(笑)。いつも思うけど、やっぱ隔週連載じゃ足りないんじゃないの? かなりいいペースで出張してる気がするんだけど」

ジュリ番「そのあたりのことは編集長に直接言っていただければ…! ということで、今回は昨日5月16日に国内復帰戦をおこなったSareee選手に関してです! 少し前の週プロ(2243号)読んでくれました?」

ジュリア「Sareee選手のインタビューでしょ? もちろん読みましたよ」

ジュリ番「Sareee選手は『いまの女子プロレスには“闘い”がない』『キラキラかわいいの前に強さがないと』などと発言。これにジュリア選手は「お騒がせ症候群」出張版第2回( https://www.bbm-japan.com/article/detail/41443 )でSareee発言に関して言及。そのうえで『闘いは“ここ”にあるよ』『ジュリアは逃げも隠れもしない』と語りました」

ジュリア「そうでしたっけ?(すっとぼけた顔)…はいはい」

ジュリ番「そんなジュリア発言に対してSareee選手は『反応してくれて、素直にうれしいです』。そのうえで『(‘19年6月のジュリア戦で)印象に残ってるのはジュリア選手が絶対負けたくないって気持ちをぶつけてきたこと』『(ワールド・オブ・スターダムを巻いてた)スターダムのトップ選手が私に興味があると言ってくれたのは素直にうれしいし、お客さんも見たいと言ってくれるならそれに応えるのがプロだと思います。私も闘いたいですね、ホントに。サリーも、逃げも隠れもしないので(笑)』と、意外なほどまっすぐな思いを語ってくれました」

ジュリア「WWEにも出ていた女子プロレス界のトップ選手が『闘いたい』と言ってくれたことは私もうれしい。カッコつけて『キャリアが違いますよ、ジュリアなんて顔じゃないです』と言えば簡単に格上感出せるのにそれをしないで向き合ってくれたので。ただ、個人的には引っかかってることがあって」
日本復帰第1戦でセンダイガールズの橋本千紘と対戦したSareee
ジュリ番「なんですか?」

ジュリア「彼女はいつも『闘い』の他に『強さ』って言うよね?」

ジュリ番「言いますね」

ジュリア「その『強さ』は何をもっての強さなんだろう?って私は思っていて。シンプルにフィジカルの強さ、もしくは格闘技的な強さのことを言っているの? ジュリ番はSareee選手のことも取材してるんだよね?」

ジュリ番「してますよ!」

ジュリア「Sareee選手のプロレスラーの魅力ってそれだけなんですか?」

ジュリ番『そんなことはないですよ。フィジカルだったり、あたりの強さも魅力の一つではありますけど、むき出しの負けん気や感情表現能力、バチバチのファイトとは裏腹のキュートなビジュアル、数え上げたらキリがないと思います」

ジュリア「私もそう思う。だけど、彼女は国内復帰戦で闘った橋本千紘選手のことを『日本で一番の女子プロレスラー』だと言ってたじゃない?」

ジュリ番「言ってましたね」

ジュリア「橋本千紘選手は間違いなく強い。だけど、さっきジュリ番が言っていたようにプロレスラーの強さってそれだけじゃないと私も思う。フィジカルの強さは大前提として必要なんだけど、それに加えて、受けの巧さだったり、表現者としてのアピール力とかスターとしての華、言葉の力だって必要だと私は思うし、ファンやマスコミを巻き込む求心力、会社からの信頼、試合の熱量、いろんなものを合計して『プロレスラーの強さ』だと思うし、全てを兼ね備えて合計値の高い選手がプロレスラーとして最強じゃないですかね。フィジカルの強さだけならボディビルダー、格闘技術なら格闘家という専門家がいるわけで。極端な話すれば、どんなに圧倒的なパワーを持っていたって、その人を見たいと誰も思わないならばプロレスラーとしての価値はゼロ。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、橋本千紘選手は確かに強い。だけど、彼女が日本の女子プロ界の最強だっていうSareee選手の言葉には同意できないかな」

ジュリ番「なるほど」

ジュリア「もちろん、ジュリアの言葉に同意できない人もたくさんいるでしょう。プロレスって見方が無限にあるジャンルだから。私は総合力が最高な人こそがナンバーワンの世界だと思うってだけ」

ジュリ番「確かに。例えば集客力も必要ですし、ジュリアさんみたいなスキャンダラスな部分も魅力ですし」

ジュリア「スキャンダラスだと? ジュリ番、ディスってるのか?」

ジュリア「いや、そういうわけでは…!」

ジュリア「そう? なんかいま悪い顔してた気がするんだけど(笑)…まぁいいや。いろいろ思うところはあるけど、Sareee選手が魅力的なレスラーであることは間違いないし、前にも言ったけど、私はSareeeというレスラーに興味がある」
ジュリアは2019年6月の田中稔自主興行でSareeeと対戦している
ジュリ番「タラレバばかり言っても仕方ないとは思うのですが、もしも2人の試合が実現したとしたらワクワクしますし、素直に見たいカードです!」

ジュリア「私がファンだったとしても、実現したらおもしろいだろうなと思う。前にシングルした時とはお互い、立場も積み重ねたものも何もかも違うわけだしね」

ジュリ番「プロレス界では、誰かが何かを言ったことをキッカケに選手同士で言葉のキャッチボールが始まり、いつしか点が線になり、戦いのドラマが生まれていくことがあります」

ジュリア「確かにね」

ジュリ番「少し形は違いますが、ジュリア選手とアイスリボン時代の後輩、鈴季すず選手の戦いも、このコラムでジュリア選手が綴ったメッセージが発端でした。そういう意味では…」

ジュリア「ジュリアvsSareeeもゼロじゃないかな?」

ジュリ番「かなと!」

ジュリア「よくさ、『スターダム一強』みたいなこと言われるけど、私はまだ一強状態にはなってないと思う。アイドルでいうジャニーズとか、お笑いの吉本ぐらい圧倒的な知名度だったら一強だと思うけど、女子プロレス界自体がまだまだ成長途中。女子プロレスと言えば?と聞かれたら誰もがスターダムって答えるわけではないから。世間的にはどの団体のことも知らないって人が多い。Sareee選手は『日本に帰ってきた以上、自分を育ててくれた女子プロレス界に恩返ししたいし、女子プロレス界を盛り上げていきたい』って言ってたけど、業界を盛り上げるためにも、スターダムはもっともっと、世間的にもいくところまでいく努力をしなくちゃいけないと思う。できるできないとは別次元で」

ジュリ番「ジュリアvsSareeeはその起爆剤になる可能性を秘めているのでは?」

ジュリア「私もそう思ってる。シチュエーションにもよるだろうけど。全部が全部、会社任せ、敷かれたレールに乗るだけのサラリーマン風レスラーなんて面白くないし、そんなの私の性に合わないから。スターダムが盛り上がっていくんだとしたら、私は発言もしていくし、動かなきゃいけないときは動きますから」

ジュリ番「さすがです! 根がはみ出し者のジュリアさんじゃないとここまで腹をくくれないと思いますよ!」

ジュリア「…ジュリ番、やっぱさっきから私の事ディスってるよね?」

ジュリ番「褒め言葉です…! 最近の方は余計なことを言って、怒られるの嫌がるじゃないですか?」

ジュリア「レスラーはね、もっと会社に怒られた方がいいんですよ。怒られた方がネタになるんだから。あ、上司に怒られるから皆と同じに、普通にしとこうって、それはレスラーじゃないよ」

ジュリ番「プロレスって本来、あらゆる意味で普通じゃない人の集まりですからね!」

ジュリア「普通の人を見たって面白くないでしょう、お客さんはお金払ってるんだからね」

ジュリ番「ジュリアさんはこれからも怒られ上等でお騒がせていくと?」

ジュリア「自分が面白いと思うことを表現していきますよ。ベルトなくしたって、出来ることはいくらでもあるから。赤白の王者にだって負けない気持ちでやりますから。諸君、楽しみにしててくれ。というわけでまた次回、アリベデルチ、またな!」

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事