close

2023-04-22

スターダム4・23横アリのジュリアvs中野たむは“伝説の北斗vs神取”を「更新」できるのか!? 鈴木秀樹「偏屈論」特別版【週刊プロレス】

ジュリアvs中野たむを斬った鈴木

週刊プロレスで好評を博していた鈴木秀樹のコラム「偏屈論」。3月で最終回を迎えたが、鈴木の弟子であるジュリアが4月23日に開催されるスターダム・横浜アリーナ大会で彼女が保持するワールド・オブ・スターダム選手権試合をおこなうとあって「BBM SPORTS」で限定復活! 

鈴木は、ジュリアvs中野たむの赤いベルト戦が女子プロ界の歴史を「更新」する新伝説になると期待。女子プロレスの横浜アリーナと言えば、1993年4月2日におこなわれた北斗晶vs神取忍のケンカマッチが思い起こされるが、2021年3月に従来の髪切りマッチのイメージを覆す〝令和の髪切りマッチ〟を繰り広げたジュリアと中野なら新たな横アリ伝説を築けると力を込めた。
4・23横浜アリーナで激突するワールド王者ジュリア(写真左)と挑戦者・中野たむ
――スターダム初の横浜アリーナ大会が明日に迫ってまいりました!

鈴木 女子プロ界的には20年ぶりの横浜アリーナだとか?

――2003年5月11日の全日本女子プロレス以来で、その時のメインは中西百重vs浜田文子のWWWA世界戦でした。今回も目玉カード目白押しですが、なぜか鈴木さんをお師匠と慕うジュリア選手と中野たむ選手のワールド・オブ・スターダム選手権試合を斬ってもらおうかなと。

鈴木 中野たむ選手で思い出すのは、連載の取材(週刊プロレス№2026掲載)で後楽園に行ったじゃないですか。

――2020年3月のシンデレラトーナメントですね!

鈴木 あの当時って、まだ中野たむさんは人気選手だけど、今ほど上にいってない時代で。本人は怒るかもしれないけど、見た感じアイドルだけど地味な選手、そんな印象だったんです。でも、実際に試合を見たらアイドルとか地味とかそんなイメージと違って、コノヤロー!っていう気持ちが見えたんです。あの時のシンデレラトーナメントってワンデーだったからだいたいの選手を見ることができたんですけど、すごく印象に残ったのが中野たむさんでした。

――コロナ禍のなかおこなわれたトーナメントを制したのがジュリアさん。その2人が20年ぶりの横浜アリーナで闘うというのも運命を感じます。

鈴木 週プロで見ましたけど、中野たむさんのチーム(コズミックエンジェルズ)から2人抜けたんですよね?

――4・15代々木第二大会で白川未奈選手&月山和香選手が離脱。と同時に安納サオリ選手が電撃加入しました。

鈴木 結果的にですけど、このタイミングでユニットが動いたのは中野たむさん的に良かったんじゃないかなと思いますよ。

――どういうことですか?

鈴木 ひとって、自分ではやってるつもりでも、本当はあと一歩踏み出さなきゃいけない時があって。別れってネガティブな意味だけじゃないと思うんです。なんとなくですけど、中野たむさんは白川選手とか月山選手、今は出てないけどウナギ・サヤカ選手とか常に後輩たちの世話を焼いてきた印象があって。それ自体、悪いことじゃないと思うんですけど、レスラーって基本的に“個”ですから、自分のことだけ考えればいいんですよ。中野たむさんが世話を焼いてきた2人が抜けたコズミックエンジェルズにいまいるのは安納さんにしろ、なつぽい選手にしろ、個が確立されてる2人じゃないですか。

――キャリア的にも2人は2015年デビューで、中野たむさんは2016年デビュー。2人とも先輩になります。

鈴木 なるほど、余計に自分のことに集中できる状況になったわけですね。誰かのために力を注ぐことが自分の力になることもありますけど、自分のために自分のことをやることがチームのためになることもある。今回で言えば横浜アリーナという大きな舞台でジュリアに勝って、赤いベルトを取ること。わかりやすいぐらいわかりやすいチャンスだと思います、すべての状況を変えるための。ここでつかめなかったら、同じ状況がこのままずっと続くんじゃないですか。
ジュリアが優勝した2020年のシンデレラトーナメントをコラム執筆者として取材した鈴木
――そんな中野たむ選手を迎え撃つのがジュリア選手です。

鈴木 何より勝つことが大事。だけど、ジュリアには勝利だけじゃなくて、中野たむ選手との闘いで新しく〝更新〟してほしいとも思います。

――更新?

鈴木 2人の試合で言うと、髪切りマッチ(2021年3・3日本武道館)が一番に思い出されると思うんです。そして、横浜アリーナと言われて多くの人が連想するのが、北斗(晶)さんと神取(忍)さんの試合だと思うんです。

――1993年4月におこなわれた伝説のケンカマッチですね!

鈴木 中野たむさんは髪切りマッチの時、試合に勝ったのにジュリアに(主役の座を)持っていかれて悔しい思いをしたと言ってましたけど、でも彼女たちは2人でそれまでの髪切りマッチという価値観を更新したと思うんです。今回、なんの因果かまた闘うことになったけど、その舞台は横浜アリーナ。北斗さんと神取さんが歴史に残るすごい試合をやりましたけど、ジュリアと中野たむ選手なら、あの試合をまた違う形で更新できる可能性を持ってると思うので。

とくにジュリアは北斗さんから2代目デンジャラス・クイーンだと言われて、ノーザンライト・ボムを使っているけど、2代目とかじゃなく、ジュリアこそデンジャラス・クイーンなんだっていうのを試合と結果で見せてくれるんじゃないですか。

――そんな一戦、果たしてどちらが勝つのか鈴木さんも気になるところだと思います!

鈴木 もちろん気になりますけど、僕がいま一番気になってるのはレスキュー…。

――(さえぎって)ということで「偏屈論」出張版、また何かのタイミングでお届けします!
ジュリアvsたむは、伝説のケンカマッチ、北斗vs神取を超える試合になるのか!?
「ALLSTAR GRAND QUEENDOM 2023」
★4月23日(日)神奈川・横浜アリーナ(16:00)
▼ワールド・オブ・スターダム選手権試合
<王者>ジュリアvs中野たむ<挑戦者>
▼ワンダー・オブ・スターダム選手権試合
<王者>上谷沙弥vs白川未奈<挑戦者>
▼IWGP女子選手権試合
<王者>メルセデス・モネvs岩谷麻優<挑戦者>
▼スペシャルシングルマッチ
朱里vs橋本千紘
※ギブアップ、ノックアウト、レフェリーストップのみの完全決着ルール
▼アーティスト・オブ・スターダム選手権試合
<王者組>世羅りさ&鈴季すず&柊くるみvsKAIRI&なつぽい&安納サオリ<挑戦者組>
▼ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合
<王者組>高橋奈七永&優宇vsMIRAI&壮麗亜美<挑戦者組>
▼ひめか引試合
ひめかvs舞華
▼AZM&駿河メイvsスターライト・キッド&星来芽依
▼テクラ&マライア・メイ&ジーナ&ジェシーvs刀羅ナツコ&鹿島沙希&渡辺桃&琉悪夏
▼フワちゃん&葉月vs林下詩美&天咲光由
▼横浜ランブル◎参戦選手=中西百重ほか

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事