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2023-05-18

【関東インカレ】「日々の練習の成果を試合で100パーセント出した」筑波大が男子マイルを制覇

男子1部4×400mR優勝を飾った筑波大。山田、鵜澤、吉川、今泉(左から走順、写真/田中慎一郎)

5月11~14日、第102回関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)が開催された。4年ぶりに集団応援が解禁となった今大会、仲間の声援を受けた学生アスリートたちが躍動した。大会のクライマックスとなった男子4×400mRをプレイバックする。

雨中のアンカー勝負

降りしきる雨のなか、持てる力をすべて出し切った。大会最終種目の男子1部4×400mR決勝は、昨年の日本インカレ王者の筑波大が3分07秒30で13年ぶりの優勝を手にした。2位の早大は3分07秒44、3位の東洋大は3分07秒82、4位の法大は3分07秒90。激闘だった。

「何番手でもらっても、自分のベストの走りをすることだけを考えて走りました。日本インカレからの連勝記録を伸ばすことができてうれしく思います」

先行する法大、早大をかわして優勝テープを切ったアンカーの今泉堅貴(4年)。筑波大主将として、エースとしての役割を果たし、安堵の表情を浮かべた。


筑波大の今泉、早大の竹内、法大の地主、東洋大の中島(左から)。各校エースによるアンカー勝負を今泉が制した(写真/田中慎一郎)

決勝はし烈なレースになる。予兆は予選からあった。1組は中島佑気ジョセフ(4年)を擁する東洋大が3分08秒48、2組は黒川和樹(4年)を2走で起用した法大が3分07秒40でそれぞれトップ通過。個人種目に出場せず、満を持して登場した2人の日本代表が格の違いを見せつけていた。1組2着は3分08秒85で早大。昨年の日本選手権リレー王者は今大会のトラック種目を席巻しており、巻き返しが予想された。

決勝は総力戦となった。筑波大は静岡国際で20秒10(+2.6)をマークしていた鵜澤飛羽(3年)を2走に起用。早大は2時間前の200mで優勝した西裕大(4年)を2走に、5連覇の懸かった東洋大も400mH王者の小川大輝(2年)を1走に送り込んだ。一方、法大は2走・富田大智(4年)、3走・黒川と走順を入れ替えたものの、予選と同じメンバーで臨んだ。

1走は早大の眞々田洸大(3年)が積極的に飛ばし、東洋大の小川が終盤に強さを見せた。法大の富田、早大の西と続いた2走では、「高校2年以来のマイル。全員越すつもりで走りました」という筑波大の鵜澤が8番手から一気に3番手に浮上。3走は早大の新上健太(4年)と法大の黒川がリードを保ったまま、ほぼ同時にアンカーへつなぎ、筑波大、少し離れて東洋大と続いた。

早大のアンカーは竹内彰基(4年)、法大は400m王者の地主直央(4年)、筑波大は45秒65を持つ今泉、そして東洋大は中島。学生オールスターともいえる強力な顔ぶれがそろう。後半型の地主が前半から飛ばし、竹内を抜いてトップに立つなか、「300m以降に切り替え、最後の100mまで走りを崩さない」ことをテーマに取り組んできた今泉が第3コーナー付近からギアアップ。地主をとらえると、粘る竹内をフィニッシュライン直前でかわした。猛然と追い上げた東洋大の中島が3位でフィニッシュし、4連覇王者の意地を見せた。


法大・黒川(右)と早大・新上がトップ争い。前評判の高かった2校が3走までリードを奪った(写真/田中慎一郎)

個々が自分の走りを表現


「今回、ケガ人が重なって万全なメンバーではないなか、しっかり勝ち切ることができました。昨年の日本インカレを勝った段階から学生記録(3分03秒71)をターゲットにして練習に取り組んできたので、その実現に向けていい感じで来ているのではないかと思います」

日本インカレでもアンカーを務め、学生歴代5位となる3分04秒43をマークしていた今泉はチームの総合力を強調する。

「直前までメンバーが決まっていなかったんですけど、任されたからにはいつもどおりに自分の走りをして、最低限の流れをつくろうと思っていました」と語るのは1走の山田那央(1年)。静岡国際で46秒40の自己新をマークしていた3走の吉川崚(4年)は今大会の400mで予選敗退していた。マイルの予選も調子が上がらないなか、「今の自分に何ができるかを考え、欲張らずに自分の走りをしようという意識でした」と今泉に最小差でつないだ。

大一番でも個々が自身の力を最大限に発揮できる、その秘訣を今泉が語る。

「練習の成果を試合で100パーセント出すことを、チームとしても重きを置いてきました。今日のレース前にもそのようにメンバーに伝えましたし、その通りにやってくれました。それだけの練習をやっているつもりですし、それがリレーの2連勝にも少しは結びついているのかなと思っています」

第1ラウンドは筑波大に凱歌が上がった。リレー3連勝が懸かる日本インカレでは学生記録更新を狙う。もちろん、早大、東洋大、法大も同様だろう。秋の再戦は今回以上の激戦が期待される。


5連覇を狙った東洋大は3位。3年連続優勝メンバーで、圧巻の走りを見せたアンカー中島(左)の追い上げもあと一歩届かなかった。中央は1走・小川、右は3走の山本嶺心(1年)(写真/中野英聡)

★男子1部4×400mR決勝
優勝 筑波大  3分07秒30
2位 早稲田大 3分07秒44
3位 東洋大  3分07秒82
4位 法政大  3分07秒90
5位 中央大  3分09秒86
6位 大東文化大3分11秒44
7位 東海大  3分11秒59
8位 日本大  3分11秒93
9位 順天堂大 3分12秒99

文/石井 亮 写真/田中慎一郎、中野英聡

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