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2023-06-08

新生UWFが社会的ブームに、藤波辰巳の飛龍革命、闘魂三銃士結成、ブルーザー・ブロディ死す、新日本がソ連と提携、全日本が阿修羅・原を解雇…1988年のプロレス界【週刊プロレス】

前田日明(左上)、ブルーザー・ブロディ(右上)、橋本真也&武藤敬司&蝶野正洋(左下)、阿修羅・原(右下)

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青函トンネルと瀬戸大橋が開通、東京ドームが完成し、B’zがCDデビュー、スタジオジブリの『となりのトトロ』が公開されバラエティ番組の『とんねるずのみなさんのおかげです』がレギュラー放送開始、ファミコンソフトの『ドラゴンクエストⅢ』が社会現象となった1988年。プロレス界では前年の“顔面蹴撃事件”により新日本を解雇された前田日明が新生UWFを旗揚げし、若年層の支持者を中心としたブームを巻き起こした。ゴールデンタイム中継が終了した新日本では藤波辰巳の“飛龍革命”が勃発、全日本では初めてPWF、UN、インターの三冠統一戦を開催。ブルーザー・ブロディさん刺殺事件や、最強タッグ開幕当日の阿修羅・原の解雇など衝撃事件も。


〔1988年の主な出来事〕

1月10日 全日本女子・吉川大会、頸椎骨折で一時は再起不能と言われた宇野久子(北斗晶)が地元で復帰。同月28日には前年4月にケガを負った地である大阪府立体育会館で同じカード(堀田祐美子&宇野vs小倉由美&永堀一恵)が組まれ、試合後に宇野は涙。

2月7日 新日本・札幌で藤波辰巳がIWGPタッグ防衛戦でスーパー・ストロング・マシンを相手にドラゴンスリーパーを初公開。同大会では越中詩郎が馳浩を破り初開催の「トップ・オブ・ザ・スーパージュニア」優勝。

2月26日 全日本・栗東で小橋健太が大熊元司戦、菊地毅が百田光雄戦でデビュー。

3月1日 前年11月の“顔面蹴撃事件”により出場停止処分を受けていた前田日明の解雇を新日本が発表。


3月5日 全日本・秋田でテリー・ゴーディと組み天龍源一郎&阿修羅・原と対戦したスタン・ハンセンが、龍原砲のサンドイッチ延髄斬りで失神。リング内で30秒のノックアウト状態となったハンセンは、正気を取り戻したあとに天龍を追い回して会場内は大混乱。

3月21日 月曜夜8時からの新日本プロレス中継「ワールドプロレスリング」が終了。1973年4月から始まったゴールデンタイム放送は15年の歴史を閉じ、同年4月から土曜夕方4時枠に移行。

4月8日 赤坂東急ホテルで新生UWFが設立会見。前田日明、髙田延彦、山崎一夫、中野龍雄、安生洋二、宮戸成夫と神真慈社長が出席。

4月15日 全日本・大阪にてPWF&UNヘビー級王者の天龍源一郎とインターヘビー級王者のブルーザー・ブロディによる史上初の三冠統一戦がおこなわれ、30分0秒、両者リングアウト。

4月22日 新日本・那覇の控室で藤波辰巳がアントニオ猪木にビッグバン・ベイダー戦への起用を直訴するとともに、いつまでも続く猪木エース体制への不満を露わにし、自らハサミで前髪を切り抗議。飛龍革命をぶち上げる。

5月8日 新日本・有明コロシアムで、猪木が負傷欠場により返上したIWGPヘビー級王座を懸け藤波辰巳がビッグバン・ベイダーと対戦。反則勝ちで第2代王者となるも、打倒猪木を期してベルトは腰に巻かず。

5月12日 新生UWFが後楽園ホールで旗揚げ。前売りチケットは15分で完売し、当日券を求め徹夜組も出る異常人気。前田日明vs山崎一夫、髙田延彦vs宮戸成夫、中野龍雄vs安生洋二の3試合がおこなわれた。

6月7日 全日本・秋田で2代目タイガーマスク、仲野信市、高野俊二、高木功、田上明が「打倒・天龍同盟」を目的とした決起軍を結成。

6月10日 全日本・日本武道館でPWF世界タッグ王者のジャンボ鶴田&谷津嘉章がインタータッグ王者のザ・ロード・ウォリアーズとのダブルタイトル戦に勝利しタッグ2冠王に。同月26日、初代世界タッグ王者に認定される。

6月23日 新日本・横浜文体で鈴木実が飯塚孝之戦でデビュー。

7月2日 海外武者修行中の武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也がプエルトリコ・サンファンに集結し闘魂三銃士の結成を宣言。

7月16日 プエルトリコのホワン・ラモン・ガブリエル・スタジアムの控室でブルーザー・ブロディがホセ・ゴンザレスにナイフで刺され、翌17日、午前5時に死去。享年42。

7月22日 新日本・札幌のIWGP王座挑戦者決定リーグ戦で、長州力がシングルマッチでアントニオ猪木に初勝利。フィニッシュは後頭部へのラリアット。

7月27日 全日本・長野。スタン・ハンセンが天龍源一郎を血ダルマにしてリングアウト勝ちし、PWFヘビー級&UNヘビー級王座を奪取。ハンセンは涙を流して亡き盟友ブロディの名を連呼。この年のプロレス大賞ベストバウトに選出された。

7月29日 新日本・有明コロシアムに武藤敬司&蝶野正洋&橋本真也の闘魂三銃士が1試合限りの凱旋。藤波辰巳&木村健吾&越中詩郎に反則勝ち。

8月8日 新日本・横浜文体。挑戦者決定リーグ戦を勝ち抜いたアントニオ猪木がIWGPヘビー級王者・藤波辰巳に挑戦。60分フルタイムドローで藤波が防衛。長州力に肩車された猪木と越中詩郎に肩車された藤波が健闘を称え合う、胸を打つ幕切れ。

8月13日 UWF有明コロシアムで「真夏の格闘技戦」。前田日明がオランダのキックボクサー、ジェラルド・ゴルドーとの異種格闘技戦に裏アキレス腱固めで勝利。

10月28日 ジャパン女子・後楽園。女子の試合の裁定をめぐって、レフェリーのグラン浜田と営業部員の大仁田厚が乱闘。

11月2日 10月30日に訪ソしたアントニオ猪木がモスクワでソ連国家スポーツ委員会とソ連人アマチュアレスラー日本派遣の正式合意書に調印。7日に東京・千代田区のホテル・ニューオータニで記者会見を開いて全貌を発表。ソ連がそれまでプロレスに対してまったく門戸を開かなかった状況を打開したことは世界的な快挙で、調印式の模様はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのテレビ、新聞でも大々的に報じられた。


11月15日 東京・浅草のアニマル浜口ジムで剛竜馬、アポロ菅原、高杉正彦が「パイオニア戦志」の結成を宣言。日本のインディペンデント・グループの先駆け。

11月19日 全日本・足利での「世界最強タッグ決定リーグ戦」開幕戦の試合前にジャイアント馬場が阿修羅・原の解雇を発表。「金銭面のルーズさ」が理由。原との龍原砲を断念した天龍源一郎は川田利明を新パートナーに指名し出場するも、アブドーラ・ザ・ブッチャー&タイガー・ジェット・シンに敗れ、悲しみの黒星スタート。

11月20日 ラッシャー木村の直訴がかない、最強タッグでジャイアント馬場と4年ぶりにタッグ結成。後楽園での初戦はザ・グレート・カブキ&輪島大士に勝利し白星発進。このあと2人は義兄弟コンビとして活動。

12月3日 ジャパン女子・後楽園でグラン浜田が大仁田厚との遺恨マッチに勝利。女子の団体で男子レスラーの試合がおこなわれたことに所属の女子レスラーが猛反発。

12月9日 新日本・後楽園でIWGPヘビー級王者の藤波辰巳とWCCW世界ヘビー級王者のケリー・フォン・エリックがダブルタイトルマッチ。延長戦の末、藤波がレフェリーストップ勝ちし保持するPNWヘビー級と合わせて3冠王者となるも、不本意な試合内容を不満として翌日にWCCW王座を返上。

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新日本プロレス旗揚げ50周年記念シリーズ③70年代編 不滅の闘魂伝説(B.B.MOOK1583) | 週刊プロレス powered by BASE

70年代プロレスとは何か?創立50周年を迎えた新日本プロレスの原点がここにある。1972年3月6日、東京・大田区体育館で旗揚げ。当初はテレビ放映も大物外国人のブッキングルートもなく、苦戦を強いられた。だが、翌73年に坂口征二が合流し、NETテレビ(現テレビ朝日)が中継をスタート。そこからは右肩上がりの成長を遂げていった。アントニオ猪木が前面に立って闘いを繰り広げた70年代の新日本を大特集する。【CONTENTS】COVER STORY◎アントニオ猪木「ジャイアント馬場を超えるために」 藤波辰爾インタビュー「明日を夢見て」CLOSE-UP◎カール・ゴッチ「旗揚げ1年目の大黒柱」 SPECIAL REPORT◎坂口征二と新日本の夜明け(文・流智美) アントニオ猪木名勝負セレクション1972-1979(vsカール・ゴッチ&ルー・テーズ、vsジョニー・パワーズ、vsストロング・小林、vs坂口征二ほか) 夢とロマンの異種格闘技戦PLAY BACK 1976-1980 SPECIAL REPORT◎ドラゴンブームとは何か? 新日本プロレス70'sクロニクル 70's外国人列伝~タイガー・ジェット・シン、アンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、ボブ・バックランドほか 70年代新日本 忘れじのシリーズ~1975年のワールドリーグ戦、1979年の闘魂シリーズ 船橋慶一氏インタビュー「NETテレビ中継開始の舞台裏」 1972-1979新日本プロレス年表【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、通常2~4日でのお届けとなります。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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