国内アメリカンフットボールの最高峰、Xリーグの「X1 スーパー」は、春シーズンの「パールボウル」決勝が6月18日にあり、オービックシーガルズがノジマ相模原ライズを振り切って優勝した。パールボウルは新型コロナウィルス感染症のため、過去3シーズンは開催されなかったが、オービックは前回(2019年)の第41回大会まで3回連続で優勝しており、今回の勝利で4連覇となった。
オービックの李卓主将に、渡部滋之・日本社会人アメリカンフットボール協会理事長から優勝トロフィーが手渡された。MVPにはFG(フィールドゴール)3本を成功させ、オービックの全得点を決めた、ルーキーKの中山龍之介が選出された。
第42回パールボウル
ノジマ相模原ライズ 0 0 0 7 7
オービックシーガルズ 0 3 0 6 9
(2023年6月18日、富士通スタジアム川崎)
両チームともオフェンスが決め手を欠いた展開で、粘り強く戦ったオービックが勝利した。ノジマ相模原ディフェンスは、オービックのRB李卓のランを徹底してマークし、早いタイミングでタックルして走らせなかった。前半の李卓のランは、4回で0ヤードと封じられた。その代わりに、オービックは、RB西村七斗が走ってチャンスを広げると、第2QにK中山が39ヤードのFGを決めて先制した。
「今の我々には勝つことが大事」オービック・大野洋HCの話
純粋に嬉しい。声が枯れているけれど、私はサイドラインで声を出すことぐらいしかできなかったから。
前半終わった段階で、良い面も悪い面も両方出たなと。ただ、試合後のチームハドルでも言ったのですが、今の我々にとって勝つということがものすごく大事。試合内容を置いて、喜ぶところは喜びたい。試合内容については、これが我々の現状ですから、キチンと振り返って、課題を明確にして、秋へと向かっていきたい。
新外国人QBのタイラーについては、出られる準備はしておくように言っていたが、どのタイミングで出すかは決めていなかった。オフェンスの展開を変えるために、タイラーを投入したが、本来のプランにはなかった。タイラーは、来日してから1カ月半くらいは練習する期間があった。ただし、ビザの関係で、この試合の直前にいったん米国に帰って手続きをしていた。実は昨日、日本に戻ってきた。急遽出場が可能になった。
RBは前半は李卓が抑えられたけれど、西村七斗が、その分頑張って走ってくれた。それによって後半には李卓もゲインする場面が増えてきた。2人は年代もほぼ同じ。良い感じで切磋琢磨し合っている。
「秋に試合に出られるように」MVPのK中山龍之介
MVPは素直に嬉しいが、嬉しいということだけではなくて、チームやファンの皆さんに対する感謝の気持ちが大きい。僕一人だけの結果ではないので。
アメフト的には、魅力が少ない試合だったかもしれないけれど、キッカーとしてはこういう展開が一番醍醐味があるので。メンタル、キックの調子も含めて、出番に向けて整えていた。FGは3本とも外す気持ちはまったく無かったが、1本目がチームの先制点でもあったので、あれを決めたのが重要だった。
シーガルズを選んだのは、スペシャリストのレベルが一番高いチームだと思ったから。
大学から入って見て、シーガルズは、「レベルが高い」というのが感想。キッカーは、他にも2人いるので、個人としては、まずは自分が秋シーズン、試合に出られるように競争していかなければ。その後に、ライズボウル優勝という大きな目標に向かって、チームに貢献していければいいのかなと思っている。
FGの時に、フロントに立っている選手が、学生とはやはり大きさが違う。けれども、そこは普段の練習で慣れてきたので、気持ちの部分は何も変わらずに蹴っている。
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