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2023-11-03

【陸上】鹿児島県高校駅伝・全国5年連続メダル獲得の神村学園高と、全国初入賞を目指す鹿児島城西高が制す

男子は鹿児島城西高が2018年以来、5大会ぶり2回目の全国出場権を獲得した(写真/新甫條利子)

全国高校駅伝の鹿児島県予選が11月2日、指宿市営陸上競技場を発着するコースで行われ、女子(5区間21.0975km)は神村学園高が1時間7分38秒で8年連続30回目の優勝を飾り、男子(7区間42.195km)は鹿児島城西高が大会新記録となる2時間4分30秒で5年ぶり2回目の全国切符を手にした。

5年連続、全国高校駅伝メダル獲得を誇る神村学園高が今年も県大会を制した(写真/新甫條利子)

5年連続、全国高校駅伝メダル獲得を誇る神村学園高が今年も県大会を制した(写真/新甫條利子)

男子のこれまでの大会記録(2時間4分41秒)は、鹿児島県勢として全国初優勝した鹿児島実業高が、全国制覇した2010年に打ち立てたもの。「3年連続で県2位と悔しい思いをしてきたなかで、大会新記録で優勝できて、選手たちの走りに私自身も感動しました」と、鹿児島城西高の髙田敏寛先生の目頭にも熱いものがこみ上げた。

U20アジア金メダルの立迫が「いつもの10倍」となる3区に出走

「ずっと都大路の入賞を目標にやってきた」
そう話したのは、6月のU20アジア選手権(醴泉・韓国)の800mで金メダルを獲得した立迫大徳(3年)だった。普段は800mなど中距離で活躍する立迫が、7区間中2番目に距離が長い3区(8.1075km)に出走。
「いつもの10倍の距離。5000m以上はレースで初めて走った」と不安もあったそうだが、2年連続で全国出場している出水中央高を先行する展開でタスキを受けた。

ライバルの出水中央高は、留学生のチェマイマク・ムサ(1年)を起用した。11秒差で逃げる立迫は、1kmを2分45~46秒あたりで入る。その立迫を上回るペースで留学生が追い、中間点付近では出水中央高がリードした。
「初めての8km。オーバーペースにならないように、相手のハイペースについていかず、自分のペースで走ろうと思った」
国際舞台でも活躍する立迫の勝負眼とも言える冷静な判断だった。最終的には立迫が終盤に追い上げ、1秒差のトップでタスキを繋いだ。

インターハイ後は長距離選手と一緒にクロカン練習などを積んでいたという立迫。
「夏合宿では(5000mで)13分台のグループと同じ練習ができていたので、力はついていると感じていました」と髙田先生。それにしても、中距離選手とは思えないロードの走りに「さすが、力を発揮してくれた」と指揮官を唸らせた。

鹿児島城西高の3区は、U20アジア選手権(醴泉・韓国)の800mで金メダルを獲得した立迫大徳(3年)が担った。区間順位は2位となったが、首位をキープしてタスキをつないだ(写真/新甫條利子)
鹿児島城西高の3区は、U20アジア選手権(醴泉・韓国)の800mで金メダルを獲得した立迫大徳(3年)が担った。区間順位は2位となったが、首位をキープしてタスキをつないだ(写真/新甫條利子)

 4区で出水中央高に先行されるも、その後は後続との差を広げてトップで駆け抜けた鹿児島城西高。あの強い“鹿実”の記録を上回り、目標だった『全国初入賞』への挑戦権を得て、決戦の都大路へ向かう。

文・写真/新甫條利子

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