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2023-12-26

殺気とガンプロ愛…勝村周一朗が語る、木髙イサミに敗れた4選手との“決定的な違い”とは?【週刊プロレス】

11・23高島平でイサミに挑戦表明した勝村

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一番悔しかったこと、を勝村周一朗は語り始めた。ガンバレ☆プロレス年内最後の大一番となる12月27日の東京・後楽園ホールで勝村は、木髙イサミの保持するスピリット・オブ・ガンバレ(SOG)世界無差別級王座に挑戦する。勝村が“一番悔しかったこと”とは…。

「一番悔しかったのは、渡瀬(瑞基)が負けた時ですね。大田区で渡瀬が負けて、リングに上がろうとした時、戦闘民族(※BASARAでイサミが属するユニット)の3人にリングを占拠されて“上がるな”と言われた時。あの時の屈辱がでかいですね」

 イサミは7・9大田区総合体育館で渡瀬を破り同王座を奪取。そのさい新王者は「悔しそうな目でギラギラ見ているかもしれないけど、きょうこの(大会後の)リングに、オマエら絶対に上がるな。ここは、俺たちのリングだ。俺たち戦闘民族のリングだ」と所属選手たちに言い放った。

 他団体・BASARA所属であり、ガンプロからすれば外敵のイサミ。ガンプロは所属選手がリングに上がり、大団円で大会エンディングを迎えることがほとんど。結果的に大田区もそういうラストシーンにはなったのだが、一度はイサミが“和気藹々”のムードを拒否した。

 完全にジャックされたガンプロのリング上。その後イサミはYuuRI、冨永真一郎、今成夢人、翔太と4度の防衛に成功したが、ベルトを取られた日のその瞬間を、勝村は“一番悔しかったこと”として挙げた。思い出せばあの日、意気消沈する渡瀬に喝を入れ、ガンプロの面々でのエンディングに促したのも、勝村。翔太が11・23高島平で負けた時、ついに勝村は挑戦表明をおこなった。

 仲間意識が強い一方で、勝村は防衛戦で敗れていった4選手との“決定的な違い”を語る。

「変な言い方になりますけど、負けたガンプロの4人は負けるべくして負けた。情けねえな、という気持ちはありますね。イサミ選手のうまいところでありズルいところでもあると思うんですけど、結局ほかの選手はイサミ選手へのリスペクトが強すぎる。そういう気持ちがなかったとしても、同じインディーで格上、名前のある選手に立ち向かう手段として、みんなの闘い方は合っていたのか? それがイサミ選手のやり方なんでしょうけど、木髙イサミのフィールド、木髙イサミの土俵で闘って、負けるべくして負けて、最後にマイクでうまいこと言われて握手して抱き合って…なんかもう、それは負けるべくして負けますよね。それが4つのタイトルマッチの印象です」

 イサミへの思い入れが、勝村には…ない。

「やりにくいと思いますよ。負けてきた人は“プロレス大好き、インディー大好き、イサミすごい、お願いします”という感じだと思うけど、俺はそういうのがない。相手のフィールドにも土俵にも上がるつもりはない。イサミ選手の思うような闘いにはならないと思います」

 勝村はキッパリとそう言った。イサミはBASARA12・19新木場で、勝村とのタッグマッチにおける対戦を経て「“プロレスで”勝ちます」と宣言。これには「(意味が)広いですよね。広いからわからないし、怖い」と語り、こう続けた。

「言いたいことはわかります。俺はプロレスより格闘技のキャリアのほうが倍ぐらい長い。だから格闘技を使ったプロレスをやるので、見方によっては“格闘家がプロレスをやっている”と思われるかもしれないし“プロレスのなかで格闘技の技を多用している”という見方を、ファンの人、ほかの選手も含めてそういう感じで見ていると思う。デスマッチもラフも“純粋なプロレス”だし、そういう部分で格闘技にはない技、展開で勝負してくるのかな。逆に楽しみですね。そのプロレスを“格闘技とプロレスの融合”で超えられたら」

 12月18日には伊藤盛一郎との師弟コンビで所英男と公開練習をおこなったように、勝村のバックボーンは強力だ。その伊藤はパンクラス12・24横浜武道館で、フライ級キング・オブ・パンクラシストになった。ここは師匠としても、イサミに負けられない状況と言える。

 勝てば、SOG世界タッグとの2冠王者にもなる勝村。ガンプロは興行数が少なく、勝村が2冠王になった場合、一日で2つのタイトルマッチをおこなうことは基本的にできなくなる。興行的に見れば1大会での目玉カードが一つ減るわけだから痛手とも言えるが、当然のように勝村は「きっとプロモーターも周りの選手も困りますよね。しょうがない、ほかの人が取れなかったんだから。勝手に困ってください」と言い切った。

「タイトルマッチで挑戦していった人はみんな握手して終わっているけど、俺は大田区の屈辱を忘れていない。絶対にここで俺がガンプロにベルトを取り戻して、最後は気持ちよく2本のベルトを巻いて今年1年を終わらせたい」

 殺気と団体愛。その2つ、勝村にあり――。

<週刊プロレス・奈良知之>

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