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2022-12-26

ハートリー・ジャクソンが語るガンプロ。渡瀬瑞基との大一番は刺激的な“純プロレス”【週刊プロレス】

ガンバレ王者のジャクソン

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12月27日、ガンバレ☆プロレスの東京・後楽園ホール大会でスピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王者ハートリー・ジャクソンが渡瀬瑞基の挑戦を受ける。

ジャクソンは8・13後楽園でガンプロ初参戦、9・3成増で今成夢人を破り同王座を戴冠した。元ZERO1でもあるジャクソンは、まずガンプロ参戦を決めた理由を「もともとZERO1で大谷晋二郎選手と親交があるなか、大谷選手がひじょうにガンバレ☆プロレスのことを高く評価していて、ガンプロの選手のことをよく言っていた。それで興味を惹かれていたんだ」と語った。ZERO1のみならず、WWE・NXTでコーチをしていた経験も持つジャクソンだが、ガンプロに出場を続け、気づくことも多かったという。

「最初参戦した時は、夢や目標を実現するために来たけど、いざガンプロの選手と対戦してみて彼らの“ガンバレ魂”やプロレスに対する愛を感じたら、視野が広がって新しいことに気づくことも多かった」と話すジャクソン。ガンプロはイメージしていた以上の団体だったと語り「個々の選手の愛や情熱以上に“ファミリー”という要素をひじょうに感じた。僕は世界中でプロレスをしてきたけど、常に『自分以外はみんな敵』という状況でやってきた。だけど、ここではファミリーとして、時には犠牲を負ってでも他人のために頑張る姿勢を見せてくれている」。

その結果、いまでは自身もガンプロに対しては“ファミリーの一員になりたい”との思いも抱くようになった。

「しばらく日本に住んでいて、日本が自分のホームという感覚はあったんだけど、そのホームに自分にとってのファミリーはいなかった。こうやってガンプロのように複数のレスラーが集まってファミリーみたいなものを形成しているのを見ると、自分がプロレスで追い求めているものに影響や変化を与えられている。自分にもそういうものがほしい、という感覚を芽生えさせてくれた」

また、“頑張る”という概念は、外国人選手にとってはひじょうに難解なニュアンスの言葉だという。その点、“ガンバレ”という言葉についてジャクソンはどう思っているのか?

「そのコンセプトを言葉にするのは、とても難しい。心で理解するしかない。自分がそれを心で理解し始めることができたのは、まなせゆうなとのタイトルマッチ(10・2板橋)の後だ。あの試合を経て“ガンバレ”というのが何なのか、理解することができた気がする」

その後、ジャクソンは11・3横浜で勝村周一朗を破り2度目の防衛に成功。12・27後楽園で、渡瀬の挑戦を受ける。渡瀬はプロレスラーであり芸人。芸人としてはパンサー尾形率いる尾形軍団の一員でもあるが、2022年は天龍プロジェクト8・17新木場の佐藤光留戦に代表されるように、レスラーとして大きく成長した1年となった。その“答え”を出すため、渡瀬はジャクソンに挑んでくるが、王者は挑戦者を以下のように見ている。

「(初参戦の8・13後楽園では)マックス・ジ・インペイラーと組み、渡瀬、前口太尊と闘った。その試合は楽しかったけど、渡瀬は自分のレベルと同じ水準にいる、あるいは王座に挑戦するレベルだとは、正直その時点では感じていなかった。でも、そこからの彼の成長をずっと見て来た。肉体的にも変化が生じているし、闘志という意味でもいいものを見せてくれてきている。12月27日のタイトルマッチにおいては、チャレンジャーとして十分値するだけの試合をしてくれると思っている」

初防衛戦のまなせは「男vs女」がテーマで、勝村との王座戦は相手の関節技やテクニックをパワーで粉砕しての勝利。渡瀬との試合をジャクソンは、こう考えている。

「渡瀬は大谷さんからコーチングを受けていることも知っているし、もっともプロレスらしいプロレス、正統派のプロレス。いままでの挑戦者のなかでは、もっとも純粋なプロレスになると感じている。当初はあまり渡瀬から炎みたいなものが見えなかったので多少けしかける言葉も彼に投げかけていたけど、直近のタッグマッチでは彼の瞳のなかに炎が宿っているのが見えた。そこでは、大谷さんの目のなかに見えた炎と同じものを、彼の目のなかにも見い出すことができた。

この試合についてはすごく時間をかけて、たくさん考えている。これは純粋なプロレス、純粋な闘い。情熱と情熱のぶつかり合いみたいな試合になることを覚悟している。自分もチャンピオンとして強さを示さなければならないし、結果を残さなければいけない彼としても全力でぶつかってくるだろうから、それを自分はハネ返すだけのものを見せなければいけない」

これで勝利を飾れば、ジャクソンは王者として2023年を迎える。その後の展望も、ジャクソンにはある。

「まず個人的な目標として、日本で1年間通してチャンピオンでいたい気持ちがある。だから、ガンプロの各選手を一人ずつ倒していきたい。それと同時に、渡瀬ではなく大家健が(挑戦者として)出てくると期待していた部分はある。ベルトや、この団体を作った人間を倒したい目標もあるので、まず大家健を倒してからガンプロの選手を一人ずつ倒していって、最低1年は防衛を続けていきたいと考えている」

すっかりガンプロに定着し、いわゆる団体愛も感じられるようになってきたジャクソン。対して渡瀬は王者を“外敵”と認識し、ベルト奪還に臨むことを明言している。ガンプロ年末の大一番は、きっと刺激的な“純プロレス”になるだろう。

<週刊プロレス・奈良知之/取材協力・Mr.HAKU>

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